相楽医師会と懇談
明細書発行ボイコットの声も
3月6日 ホテルフジタ奈良
52人が出席して開かれた相楽医師会との懇談会
協会は、3月6日、相楽医師会との懇談会を奈良市内のホテルで開催した。地区から47人、協会から5人が出席し、小堤國廣副会長の司会で進められた。
藤木新治会長は、「山城医療圏で医療を完結する努力はしているが、産科、整形外科を中心に、連携態勢が十分でない。そのような現状を、協会は『京都府提案への反論と地域医療体制への提言』として大変丁寧にまとめていただいた。これを糧に病診連携に向けて努力していきたい」と挨拶した。
意見交換では、地区から、後期高齢者医療制度をはじめ、日本の医療保険制度における展望を中心として、「協会は今後、厚労省や民主党に対してどのようなスタンスで活動するのか」との質問があり、協会から、国の責任による全国一本の医療保険制度創設を目指し、厚労省や民主党に対して地域保険化への行程と具体的内容を早急に示すよう求めていることを説明し、「京都の民主党議員は現場の声を聞く姿勢があり、協会としてはそういった議員を支え、現場の声を届けていきたい。しかし特定の政党支持をしているわけではなく、あくまでも政策を鑑みながら是々非々で行っている」と理解を求めた。
また、今次診療報酬改定の主要項目である明細書の発行義務化について、地区から、「自分としては納得できないので明細書は発行しない」といった声のほか、コンピュータが使える事務員がいないため、明細書を発行するかしないかではなく、「すぐには対応できない」といった意見も寄せられた。協会としても、明細書発行のボイコットするような運動を鼓舞するよう強い要望があった。その理由について、紙の無駄といった観点の他、以下のようなトラブルの具体例が挙げられた。1回目に特定疾患処方管理加算18点を算定し、2回目に長期加算65点を算定すれば、1回目に算定した18点が算定取り消しとなるため、明細書には18点分がマイナス表示される。患者は医療機関側がミスしていると思うかもしれない。
これらに対し協会から、「明細書の発行義務化は、あくまでも療養担当規則に記載された事項であり、覆すことは難しいと思われる。しかし、事務作業の増加や、渡し間違いのリスク増加なども考えられ、そのような観点から反対運動を検討していきたい」との認識を示した。