子育て医療費 府知事選でも拡充を公約 府内各地で引き上げへ
4月11日に投開票が行われた京都府知事選挙では、医師の門祐輔氏を破って現職の山田啓二氏が3選を果たした。今回の選挙でも、子育て支援医療助成費について、両候補ともマニフェストで拡充する公約を掲げた。「小学校卒業まで無料(窓口負担200円)」(門氏)、「通院について小学生を中心に対象を拡大」(山田氏)。
京都府の制度は、左図のように知事選挙を経るごとに着実にステップアップされてきている。
京都では、協会などによる乳幼児医療京都ネットの活動(01年5月〜)を機に、制度の拡充を求める声が確実に高まり、それを背景に選挙の都度、各候補の公約に反映されてきている。
ちなみに乳幼児ネットの要求は就学前までの無料化であったが、07年度から府制度は、通院の一部を償還払いとしたものの、対象を小学生(入院のみ)に広げ、名称も「京都子育て支援医療助成費」に変更した。現在の協会の要望は義務教育終了までの無料化である。
今年度は市町村の制度も大きく動きを見せている。昨09年度中に引き上げが行われたのは井手町(09年8月)と南山城村(10年1月)のみであった。これに対して、10年度に入ってすでに京田辺市、伊根町が4月から引き上げ、城陽市、福知山市、舞鶴市、精華町が9月から、宮津市が10月からの引き上げを決め、綾部市でも市長が6月議会に9月からの引き上げ提案を行うことを表明している。
このうち、これまで京都市とならんで府制度への上乗せ助成を行ってこなかった舞鶴市と綾部市が引き上げに動いたことは大きな変化といえよう。今後、府が知事の公約通り制度拡充に動くとみられるが、それに対応する各市町村、特に財政難を訴える京都市の動向が注目される。