京都府内の医療はいま/綴喜2
地区内で“完結”目指し連携模索
綴喜医師会は八幡市・京田辺市・井手町・宇治田原町で構成される。
八幡市・京田辺市は医療機関が比較的充実しているものの、井手町・宇治田原町には病院がない。また診療所も少ないだけでなく、耳鼻咽喉科や眼科などの専門医師もおらず、1人の医師が複数の科目を診療している状態である。また診療所と自宅が別の医師も多く、夜間や時間外は、多くの患者が京田辺市や宇治市もしくは京都市内まで出向いている。地域内で医療を完結できておらず、その要因として医療資源の乏しさは否定できない。
また、周産期医療も課題のひとつとして挙げられる。田辺中央病院が常勤医2人を確保しているが、診療所を含め、出産できる医療機関は減少してきており、先行きは不安定だ。一方で救急をはじめとして小児医療はバックアップ体制が充実している。田辺中央病院では常勤医が7人体制を取り、年365日24時間対応を行っているほか、日曜日は八幡市・京田辺市の休日応急診療所が対応している。地域の小児科医は、「小児科医のマンパワー不足が叫ばれる中で、本当に医療の必要な患者が、必要な医療を受けられる態勢を整えるためには病診連携や診々連携は欠かせない。さらにコンビニ受診や、軽症受診を極力少なくすることが不可欠で、患者教育も必要である」と強調した。
地区内で完結できる医療を目的として、病診連携や診々連携を目指し、地区内で奮闘している。地域の医療資源を活用し、病診・診診連携や他の地域との連携をさらに深めていくことが地域の医療を守り続ける鍵となっているようだ。