主張/医療安全対策50周年迎えた節目のシンポにご参加を
会員各位には既にご承知の通り、京都府保険医協会は09年度で創立60周年を迎え、同時に医療安全対策は50周年となった。
毎年定例開催している「医療安全シンポジウム」は今回、50周年記念事業として3月13日(土)に趣向を変えて開催する。例年は、それぞれテーマに沿った数人の専門家をパネリストに招いていたが、今回は、医事紛争に対応している協会の医療安全対策部会の担当理事4人(内科・外科・整形外科・産婦人科)がパネリストとなって、京都で実際に発生した医事紛争事例を紹介し、問題提起をする。もちろん、報告後の参加者を交えての討論は例年通りである。これにより、参加者にとっては、よりリアリティーある内容となろう。
なお、扱う事例は、基本的に既刊の「医事紛争事例集―医師が選んだ50事例」の中から紹介するので、プライバシーの保護は当然ながら、すでに解決済みの事例ばかりなので、その結末も明白であり、安心して聞いていただけるものである。
さらに、このシンポジウムは、医療法で定められた年2回の研修にも相当する。特に、無床診療所の会員には、なかなか研修の機会を持ち難いことが推測されるので好機と思われる。また、参加者には全員に「参加証」を発行するので、日医会員の方には生涯教育制度の3単位にも該当する。
医療安全シンポジウムの開催等、協会が医事紛争の「対応」のみならず、「予防」にも力を注ぐのは、たとえ1件でも減少させていくことが目的だからである。皮肉なことに、マスコミ等が「医療崩壊」を報道し始めた2年前から、医事紛争の報告件数は顕著に減少し始めた。これは、一般市民にも、如何に医療現場が大変な状況になっているか、少しでも理解されてきたこともその一因であろう。
協会は、少しでも医療崩壊に歯止めをかけ、なおかつ、医事紛争を減少させていく努力を今後とも継続していく所存である。そのためには、会員の理解と協力が不可欠と考える。このシンポジウムへの参加自体が、その協力に当たるものとして、あらためて会員各位には参加をお願いし、紛争発生予防にお役立てていただきたい。(4面にシンポジウム案内)