京都府薬剤師会と懇談 後発医薬品の問題など意見交換

京都府薬剤師会と懇談 後発医薬品の問題など意見交換

府薬剤師会(右側)と懇談
府薬剤師会(右側)と懇談

 協会は09年12月3日、主に保険請求に関する問題をテーマに、京都府薬剤師会と懇談した。府薬剤師会からは、宇野副会長、渡邊副会長、茂籠専務理事、小林理事が出席、協会からは鈴木副理事長、古家・長谷川理事が出席した。

後発品への変更時の疑義照会徹底が結実

 懇談ではまず、先発医薬品と後発医薬品で適応が異なり、調剤薬局で適応のない後発品に変更された場合に、医療機関側から減点される問題について、意見交換した。

 08年11月10日付本紙にも掲載の通り、京都府薬剤師会のご尽力により、同会会員への周知及び日本薬剤師会から各都道府県薬剤師会宛に、「先発医薬品と後発医薬品で適応に違いがある場合の対応について(処方医への疑義照会の徹底のお願い)」通知(08年10月21日付)が発出されたことにより、協会に対して、会員からの同種の減点の相談は皆無となった。協会から改めて「京都府薬剤師会のご努力のおかげ。懇談が実を結んだ」と謝意を述べた。

 一方、市町村国保や協会けんぽでは、医療費通知で後発医薬品に変更すれば負担が軽減される、とアナウンスする動きがある。09年5月には、呉市が全国に先駆け「ジェネリック医薬品促進通知サービス」を実施したところ、広島県医師会が反発した経緯もある。この問題について薬剤師会から、「後発医薬品に変更した場合、すべての効能・効果が一致する訳ではないため、医師・薬剤師に照会するよう広報してもらわなければ困る」との意見が出された。

 協会からは、「後発品の適応病名に目を付けて減点すれば、使用促進に影響するので、使用促進そのものに力を入れる方向ではないか」との意見を述べた。

 また、薬剤師会より、「後発医薬品を記載して変更不可、としている医師がおられるため、調剤薬局では後発医薬品を複数揃えなければならない(例えば、アムロジン後発でも3種類は揃えている、等)。製造元は同一だが、販売会社は複数になっている薬剤もある。これらの問題は、解決してほしいと考えている」との意見が出された。

漢方、湿布薬の保険外しは問題あり

 薬価制度改定の情報交換では、薬剤師会より「次回改定で参照価格制度の導入は難しいだろう。漢方の保険外しについては、日本東洋医学会が27万人以上の署名を集め、長妻厚労相に提出している。湿布薬を外せば、整形外科・皮膚科では保険適用の薬剤がなくなる」との意見が出された。

 次回調剤報酬改定については、「長期投与が多く、薬剤比率も高まっている中で、見えない設備投資(例えばバーコード管理等)でランニングコストも増えている状況であり、引き上げてほしい」との意見が出された。

 レセプトの電子請求に関する問題について、京都府薬剤師会の状況は、会員薬局の96%がオンライン請求を行っており、オンライン化が不可の薬局に対して代行請求事務を担い、会員から電子媒体の提出を受けて、代行送信している。

 薬剤師会から、「医科では今後、オンライン化が進むと思うか」との質問が出され、協会から「当面、現状維持が認められることになり、65歳以上は免除されるので、急に進むとは思えない。情報漏洩等、プライバシーの問題もあり、抵抗感もある。だが、既に病院が電子化を義務化され、診療所分を合わせ、レセプトの50%以上が電子化された。国・財界の目的は8割は達成されたのではないか」との意見を述べた。

 また、「以前から辞めたい、と言っていた薬剤師の中には、義務化を期に辞められた方も多い」との報告があった。

 その他、厚生労働省の内服薬処方せんの記載方法のあり方に関する検討状況等についても意見交換した。

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