省令改定でオンライン義務外れる 診療報酬 請求方法は実質選択制に

省令改定でオンライン義務外れる
診療報酬 請求方法は実質選択制に

 診療報酬の請求について、厚生労働省は11月25日付で請求方法を定めた省令を改定し、オンライン請求のほか電子媒体による請求も可能とした。また、現在手書きで請求している医療機関は、レセプト枚数に関係なく今後も手書きで請求可能となる。常勤医が65歳未満で、現在レセプトコンピュータを所有する医療機関は、10年8月請求分(7月診療分)より電子媒体等での請求が必要になるが、電子媒体による請求に対応していないレセプトコンピュータの場合は、リースまたは減価償却期間が終了する(最長15年3月末)まで紙レセプトで請求できる(概要は11月30日発行『グリーンペーパー』No.159既報)。ただし、これまで通り、紙レセプトでの請求が認められる医療機関は届出等が必要になる。解説通知や届出書については、本紙付録で確認下さい。

オンライン・電子媒体による請求義務化スケジュール(2009年11月25日付告示・省令による)
オンライン・電子媒体による請求義務化スケジュール
(2009年11月25日付告示・省令による)

撤回運動が一つの形に理事長談話を発表

 診療報酬の請求方法は、06年4月10日省令改定でオンライン請求が義務づけられ、08年4月より段階的に実施されてきた。

 この義務化は認められないとして、京都をはじめ全国の保険医協会・医会は義務化撤回を求めて運動してきた。

 厚生労働省は09年10月10日に請求省令の改定案を公表したが、義務化は堅持、一部除外規定の拡大に過ぎないものだった。そのため協会はあくまで「義務化撤回」を求めて、パブリックコメントの提出、厚生労働三役への働きかけなど、運動を強めてきた。

 今回の改定でも医療機関が請求方法を自由に選択する「完全手上げ方式」にはなっていないが、2千件以上のパブリックコメントが寄せられたことも力となり、一定の緩和を勝ち取ることができた。

 今回の改定を受けて、協会は11月26日付で関理事長の談話を発表し、鳩山首相、長妻厚労相はじめ厚生労働政務三役らに送付した(談話は3面)。

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