第24回保団連医療研究集会開かれる 環境対策委員会の取り組みを報告
分科会で報告する山本昭郎氏
「深めよう!日常診療に活かす医科歯科連携」をテーマに、第24回保団連医療研究集会が東京(都市センターホテル)で開催された。分科会では今年も、環境対策委員会で取り組んでいるNO2濃度の測定調査結果について、山本昭郎環境対策委員が報告した。結果の詳細については、すでに本紙2682・2683合併号で報道の通りだが、環境基準に準じて/大変汚れている/とした61ppb以上は、2地点で過去最低であった一方、府北部を中心に残っていた平均濃度が20ppb以下の市町村がなくなり、汚染が京都府全般に及んでいることが明らかとなっている。原因としては、自動車道の拡張・整備が交通量の増加を招き、大気汚染を進めたのではないかと思われる。また、京都府の道路行政のあり方、万年赤字体質の市営地下鉄を含めた交通行政のあり方について問題提起を行い、(1)大気汚染や地球温暖化防止のためにも、無駄な高速道路の建設はもうやめる。(2)路面電車の復活と新しい公共交通システムを京都府内・市内につくりあげる。(3)国際観光都市にふさわしい景観・環境整備、高齢者・弱者にやさしい町づくりをめざす。(4)後世に誇れる古都、持続可能な地球環境を子孫に残す務めを果たす―の4点を新しい京都の環境・交通政策として提案した。
また、初日の記念講演は、「全身疾患と歯周病〜医科歯科連携に向けて〜」をテーマに、中川種昭氏(慶應義塾大学医学部歯科・口腔外科学教授)が講演。歯周病原等の口腔内細菌が細菌性心内膜炎、アテローム性動脈硬化症、誤嚥性肺炎、低体重児出産、糖尿病に関連している可能性について言及。またワーファリン、カルシウム拮抗作用の降圧剤に関する問題からも、医科歯科連携の重要性を述べた。
二日目午後のシンポジウムは「医師・歯科医師としての高齢者介護」「食育―健康な大人になるために」「無煙社会を目指して」の三つが開催された。
参加者は463人。京都からは政策部会・飯田哲夫理事、山本委員のほかに、会員および従業員が二人参加した。