保険医協会にご入会下さい
総務部会理事 岩野正宏
開院をしてもうすぐ3年が経とうとしています。/医療崩壊/に伴う医師不足の中での勤務医生活と、医療経営が難しくなった中での開業医生活を味わうことになり、この数年間は世間知らずな私にとって良きにつけ悪しきにつけ勉強になることの多い時期でした。開業と同時に入会した専門医会の推薦を受け、保険医協会の理事になり現在に至っています。
開業してわかった点として、勤務医時代には、開業医は時間とお金にとても余裕があるという印象を持っていたのですが、大きな間違いであることを知りました(その通りの先生方もいらっしゃると思いますが…)。資金調達、医療機器保守管理、人事労務、レセプト請求業務、経営戦略などなど、勤務医時代には経験することのなかったある意味自分にとって一番苦手とする業務が、予想以上に多くありました。
医療費や医療制度が、これほどまでに実生活に直結していることを知り、患者さんの負担額を気にして診療し始めたのは開業してからであり、保険医協会の仕事を始めてからでもあります。それと同時に、診療所であれ大病院であれ、院長には医療経営のみならず、人事労務や医療安全対策といった幅広い業務を行うことが要求されることも痛感しました。
60年という長い歴史を持つ京都府保険医協会では、開業医に必要とされるあらゆる問題を、それぞれの専門部会がいろいろな角度からサポートしてくれる体制ができています。保険医協会は優秀な事務局スタッフと各地区医師会や専門医会から選任される医師で構成されており、総務、経営、医療安全対策、政策、保険、の各部会に分かれて活動を行っています。開業医は言うまでもなく、勤務医にとっても大変有意義な情報の発信を行っております。
ちなみに私が所属している部会は総務部会で、執行機関である理事会などの運営をはじめ、組織拡大の諸活動や文化行事を立案実行しています。総会での講演会では、昨年は源氏物語千年紀にちなんで関西学院大学教授の高木和子先生に、今年は、「待つことの意味」という演題で大阪大学総長の鷲田清一先生にお越しいただき、大変興味深い講演をしていただきました。
患者さんと医療者が、ともに喜び合える良い医療の実現のために、保険医協会は今後も活動を行っていきます。ぜひ皆様のご参加を願っております。