医療安全対策の常識と工夫
「医療安全対策の常識と工夫」をあらためて連載します
機会ある毎に紹介していますが、京都府保険医協会は、1959年度(昭和34年度)から医療安全対策に取り組んできた長い歴史と経験を有しています。2009年度(平成21年度)には、医療安全対策を開始して、50周年を迎えることになりました。また、68年度(昭和43年度)には、全国に先駆けて「医師賠償責任保険」を組織的に導入して、現在まで2千件以上の紛争に対応、その9割以上が既に解決に至っています。更に、このノウハウを凝縮した出版物として「事例でみる医療安全対策の心得」を05年10月に発行して、紛争予防にも力を入れてきました。
今回の連載では、その中の第2章「医療安全対策の常識と工夫」を、時代の変化を考慮しながら若干改訂して、改めて会員各位に啓発させていただきたいと思います。上述した「心得」が出版された頃は、まさに医事紛争が続発して、マスコミ等も含めて、なかなか医療機関側の言い分も聞いて貰えない時代でした。ところが、07年頃から「医療崩壊」が報道され始め、如何に医療の現場が大変であるかが、若干なりとも一般市民にも知られるようになってきた様子が窺えます。実際に、07年度から、協会に報告される事故報告数も顕著に減少傾向が認められるようになりました。しかしながら、これで安心ということはありません。この時期だからこそ、会員各位には一層、医療安全に努めていただき、例え1件でも(無用な)医事紛争を回避したいものです。
初回は、「医師として毅然とした態度を!」を掲載する予定です。