近畿厚生局京都事務所、09年度指導計画を開示/個別指導の増加が懸念
協会は近畿厚生局京都事務所に対して適宜、指導・監査、施設基準等適時調査等に関して行政文書開示請求を行っている。
先般、選定委員会資料を開示請求したところ、指導及び適時調査について、「09年度月別実施計画表」が開示された(表参照)。
指導対象医療機関の選定については、08年10月に指導・監査の権限が近畿厚生局に移管され、同局京都事務所長、指導医療官、事務官と、京都府の医療保険課長、課員から選定委員会が組織されている。09年度の選定委員会は3月5日、16日に開催され、指導対象医療機関が選定された。
このうち、集団的個別指導については、8月中旬、京都市内と府北部において開催された。対象医療機関数は175機関であった。
個別指導については、09年度(09年4月から10年3月まで)に、病院5機関、診療所94機関の計99機関が予定されていた。ただし、この中には新規指定より概ね6カ月を経過した保険医療機関に対し、教育的効果を目的に実施される新規個別指導も含まれている。
経年を見れば、03年〜07年度において、単年度で病院4〜5機関、診療所5〜9機関を対象に個別指導が実施され、110機関に新規個別指導が実施されている(当会発行『グリーンペーパー?153』09年5月25日号に掲載。08年度分は資料不在として未開示)。これと比較すると、対象合計数は例年通りだが、問題なのは、今回開示された「09年度月別実施計画表」の個別指導の予定で、三段に分けられ上に黒塗り(不開示)された内訳だ。診療所について、毎月約6機関が予定されている黒塗りAの段を新規個別指導だと仮定すると、黒塗りB・Cの診療所25機関が通常の個別指導だということになり、経年の2〜3倍が予定されていることになる。
この懸念の裏付けとして、09年3月5日に開催された第1回選定委員会の会議録に、京都府から出席している委員の発言として「近畿厚生局京都事務所から『09年度は標準化に基づき指導することから、指導件数が増え、指導方法も変わる。年間計画を示す』と聞いている」と記録されている。
従来、京都の医科医療機関に対しては、高点数を理由とした個別指導は実施されていなかったが、「全国標準化、指導件数増加」が方針であれば、従来の情報提供による「訳あり医療機関」に対する個別指導に加えて選定される可能性もある。協会は今後も情報収集・提供に努める。
*未開示(黒塗り)部分については、開示されていないため、内訳は分からない。(黒塗りA)は新規個別指導ではないかと思われる。(病院では実施予定が無く、診療所では件数が一定のため)
*施設基準等適時調査が指導計画に位置付けられているが、診療所分は実施予定が無い。