第62回定期総会(第177回定時代議員会合併)質疑応答の要旨

第62回定期総会(第177回定時代議員会合併)質疑応答の要旨

議案の体裁について

 田代博代議員(右京) 今回の議案書の中に、二酸化窒素(NO2)測定結果を掲載しているが、分布図の色分けが見にくいので、模様で区分けするなど工夫してほしい。

新会館問題、オンライン義務化問題について

 中本毅会員(乙訓) 新医師会館が建設段階に入っているにも関わらず、協会の入居について京都府医師会から返答をもらっていないようだが、この際、新医師会館には入居せず、事務所費として計上している分で他の便利な場所を探すという考えはないか。ここ数年間、府医の会長選挙が行われていないが、私は組織の活性化のためにも選挙はやった方がいいと考えている。協会などから対立候補を立てて闘えばいいと思う。その際、店子としては対立候補を擁立しにくいだろう。頭の隅にでもいれておいてほしい。

 レセプトオンライン請求義務化について、2年前の総会で裁判闘争を提起したが、神奈川県保険医協会が裁判を起こすということで、原告団に参加した。裁判はいつ決着するかわからないが、最後まで闘う覚悟である。衆議院選挙のこともあって自民党、民主党の考え方に変化が見られる。オンラインの義務化が遠退いたかのようなニュアンスの情報もあったが、霞が関の官僚は義務化撤回とは言っていないので、油断はできないと思っている。

 関理事長 新医師会館への入居に関しては、2年前の総会で、「協会は新医師会館に入居すべきである」と採択された。総会の議決は大変重要なものと受けとめている。現在でも、協会は新医師会館に入居するのだという気持ちに変わりはない。仮に入居できないということになれば、改めてお諮りすることになると思う。

 鈴木副理事長 レセプトオンライン請求義務化について協会は、この問題が出た当初から会員アンケートの実施などをいち早く行い、地域医療の崩壊を加速させる問題点などを指摘し、患者、府民に対して啓発活動に努めてきた。撤回運動として、様々な形があると思うが、その一つとして神奈川協会の裁判闘争に京都協会でも賛同し、会員に原告団への参加を呼びかけ、結果66人の会員が原告団に参加した。また、大阪でも訴訟が起こっている。今後、裁判に勝訴するよう協力していきたい。

 総選挙を控えて各政党において、「完全」義務化から「原則」義務化にニュアンスを変化させてきている。しかし、「撤回」や「手挙げ方式」など具体的な内容は不透明である。厚労省の官僚も「義務化」はあきらめていないし、また規制改革会議も厚労省になんとか義務化を実施させようと圧力をかけているようだ。先日、行った民主党国会議員との懇談の中でも、「原則」義務化ということで「手挙げ方式」と明言はしなかった。しかし、内容的には「手挙げ方式」のような感じは受けたが、今後詳細を詰めていく必要があるだろう。今度の選挙についても、こういったことを見据えて臨みたい。

医療運動について

 中本会員 今度の総選挙は願ってもないチャンスなので、各政党に強く申し入れをしてほしい。

 また、最近の協会活動は、我々のように闘争に明け暮れた時代を経験したものからすると物足りなさを感じる。以前は何か運動を取り組む際にはプロジェクトチームを作り、府医と協会が共同で活動していた。会員を巻き込んだ運動を展開してほしい。

 関理事長 医療団体が分断されていてはなかなか要望は通らない。各種医療団体と協力して運動に取り組んでいきたい。府市民対策としては、各種シンポジウムを開催し、たくさんの府市民が参加していただいているが、もう1つ大きな運動のうねりとなっていないことは残念なことである。また、過去において協会活動が活発に行われていたことは、歴史的な事実として認識はしている。運動としてどれ位勝ち取ってきたかは評価がわかれることもあろう。我々の要望が全て満たされるわけでもなく、会員も不満に思っている部分もあるかもしれない。会員の意見に耳を傾け今後も運動を展開していきたい。

 垣田副理事長 大先輩の貴重な意見を聞き、改めて気持ちを引き締める一方で、現在の医療界における運動の難しさを感じている。医師と患者の対立を煽るような風潮の中で、医師としていろいろ声をあげることに難しさを感じるところがある。誰のための医療なのか、我々は患者を代表して言っているのだと確信を持って運動しなければならない。京都府の医療においても、都市部と郡部の医療格差解消のために診療報酬の1点単価をスライドするようなことが起こりうる可能性がある。こういった状況は、協会が設立された60年前の状況と似ている。医療者または医師団体として統一した方針を出していかなければいけない。今後もさまざまなご意見を協会に寄せていただきたい。特に若い先生方には協会活動に理事として参加していただき、声をあげてほしい。

 また、議員に直接声を届ける運動ということで、総選挙後に民主党との懇談を9月26日に予定している。これは翌27日に、東京で開催する社会保障基本法のシンポジウムとあわせて、協会の創立60周年記念企画として、地区医師会を通じて案内している。ぜひご参加いただきたい。

医療崩壊への対応について

 門祐輔代議員(左京) 今、医療者としてやるべきことは大同団結して様々な医療問題に対して、主体者としてどのようして立ち向かっていくかという方向性を示すことである。この間、医師不足などの問題は、個々の医療機関同士でお互いを支援しているような状況である。今後は、そういった状況を京都全体の問題として捉え、特に脳神経外科・小児科・産婦人科など政策的にあるいは地域にとって重要な科については、ある程度コントロールしなければいけないのではないか。行政だけでなく、公的・私的な病院などすべての医療団体が、医療崩壊と言われている現状を少しでも改善できるように協力して取り組むことが必要だ。あらゆる医療団体が同じ方向に向けて頑張れるよう協会としても力を尽くしてほしい。

 関理事長 京都の医療団体が共同してことにあたるよう努力していきたい。

 貫戸副理事長 産婦人科の例で言うと、現在京都大学と京都府立医科大学の産婦人科の医局が連携して、取り組みを始めようとしている。産婦人科医不足については、産婦人科医会の努力だけではどうにもならない面があり、国・京都府に要望した。今回、救急勤務医・産科医等の処遇改善を図る国庫補助制度が創設されたことを契機に、例えば、分娩取扱手当として1件につき1万円、産科後期研修医手当として後期研修医で産科・産婦人科を選択するものに月額5万円が支給されることになった。こういった問題には専門医会と医療関係団体、行政の3者が連携することが重要であり、協会はその橋渡し役として頑張っていきたい。

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