社保研レポート/緩和医療とネットワーク形成の必要性
第628回(5/21)在宅医療における緩和ケア
講師:淀川キリスト教病院 ホスピス長 池永 昌之 氏
在宅医療シリーズ第4回として5月21日、第628回社会保険研究会を開催した。淀川キリスト教病院ホスピス長の池永昌之氏を講師に「在宅医療における緩和ケア」について解説。緩和医療の歴史、がん患者と疼痛治療、鎮痛薬の副作用、緩和医療の問題点と課題など、在宅での末期患者における緩和ケアに関して講演いただいた。
(1)WHOラダーに沿った疼痛コントロールについては、平易に説明されており、知識の整理に役立った。実際にはまだまだ医療麻薬に対する誤解も多くみられ、導入にやや難渋するケースもある。
(2)緩和医療は、今でこそがん治療に早期より介入すべき内容のものであるといったことが、まだ十分に浸透しておらず、医療者にとってもまだそういった認識となっていない方もおられるのではないかと感じる。
(3)在宅緩和医療については、実質の緩和医療はがん拠点病院、緩和ケア病棟、ホスピス、在宅支援診療所、訪問看護などの細やかな連携があって初めて質の高い在宅緩和ケアが提供できることは理解できるし、その必要性を強く感じている。京都市内でもこういった強固なネットワークが形成されることを望みたい。
(4)実際の在宅緩和ケアを主たる仕事場とされている往診クリニックの先生の現状報告や現場での苦労話や症例検討などもできればよいかと思う。
(中京西部・中務博信)