在宅医療・左京の取組を紹介/コミュニ委で各地区の情報交換
左京の在宅医療の取組状況を説明する藤原委員
協会は5月9日、第2回コミュニケーション委員会を開催した。地区から18人、理事6人の他、委員以外の会員からも参加を募り、8人の参加があった。司会は岡田代議員会議長。関理事長挨拶の後、左京医師会の藤原正隆委員から、在宅医療をテーマに、左京医師会・在宅医療部会の取り組みについて紹介があった。
左京医師会では、在宅医療部会が中心となり、在宅医療に取り組む医師の「在宅医療協力医リスト」や、ケアマネジャーがかかりつけ医との連絡を取りたいときに、いつ連絡をすればいいかを知るための「ケアマネタイム」などを作成している。また「かかりつけ医斡旋システム(左京在宅ネット)」を構築し、患者の情報をメーリングリスト上で共有、48時間以内に手挙げ方式でかかりつけ医を決定している。この場合、かかりつけ医になった医師は、副主治医を募ることができ、一人で在宅医療を行う場合の精神的、肉体的負担を軽減することができるのが特徴である。
意見交換では、各地区の在宅医療の状況が報告された。在宅医療に携わる医師が充足している地域では、近隣の医師同士でグループを作って対応しているケースもある。しかし、ほとんどが各々の開業医の取り組みに任せており、医師間のつながりは希薄であるという。一方で、医師の高齢化が進む地域では、在宅医療に携わる医師が少なくなっており、その余波として1人の医師にかかる負担が増え、グループを作ろうとしても作ることができないといった悪循環も生じている。
そのような状況の中、医師会の取り組みとして、ホームページで在宅医療の受け入れ可能な医師のリストを掲載したり、患者がかかりつけ医を検索できるシステムを導入したりしている地区も少なくない。しかしながら、そのシステムがどの程度機能しているかは未知数である、と口を揃える。そのため、北医師会では主治医紹介システムを十分に機能させるための講演会を開催している。
さらに、元来かかりつけ医を持っている患者が多く、退院後の主治医紹介のニーズはほとんどないといった意見が出された。これに対し左京から、左京においてもニーズは多くはない。現段階では医師会が介入しなくても十分対応していけるだろう。しかし、在宅医療のニーズが増えた時を見据え、医師会が指揮をとって永続的に持続可能なシステム作りを目指していると話した。
最後に茨木副議長が、各開業医の温度差や地区医師会の温度差など、さまざまな課題があるが、コ・メディカルとの連携を大切にして頑張っていただきたい、と挨拶し閉会した。