西京医師会と懇談/2月16日 京都エミナース
在宅の取組で認知症ネット構築へ
14人が参加して開かれた西京医師会との懇談会
西京医師会との懇談会は2月16日、京都エミナースで開催。地区から8人、協会から6人が出席し、西京医師会・宮地芳樹副会長の司会で進められた。
冒頭、同会・谷村仲一会長が挨拶し「顔をつき合わせて話ができる機会であり、活発な意見交換をお願いしたい」と挨拶した。協会からは関理事長の挨拶の後、各部会より報告を行い、意見交換した。
最初に西京医師会における在宅ケアの取り組みが話題となった。「学区単位で月1回地域ケア会議を開催し、様々な職種の方から問題点を出し合っている。そこで認知症の問題が出されてきたので、認知症のネットワークを構築しようとしている。耳鼻科や眼科の先生でも、疑わしいと思ったら、見つけ出して、早期に対処するという取り組みだ。ここに住んでいてよかったといってもらえる地域にしていきたい」「在宅医療を本気でやれば医療費がかかるはず。かえって入院の方が安く済む場合もあると思う。住民を巻き込んで、もっといい医療をしようという提言をしていかねばならないと思う」などの意見が出された。
一方で、「とても地域に目を配る余裕がない。やらねばならないと思っても、インセンティブが働かない」「医学は進歩し、医療機器は日進月歩だが、往診など在宅でできる医療には限りがある。病院でできる医療のレベルと、在宅でできる医療のレベルは差が大きすぎる。それを患者や家族は納得してくれているかどうか。患者や家族から、あの時、病院でCTを撮っていたら、など言われたら、どうしたらいいのか。そんなことを感じながら往診している」との意見が出された。また、病院で胃瘻を増設して在宅療養している患者について、カテーテル交換をする際に画像診断を行うことが算定要件とされていることについて「患家で造影剤を使い、レントゲンを撮ることは不可能」との意見が出され、制度が在宅医療の実態に合致していない問題も明らかにされた。
この意見を受け、協会から「医療保険と介護保険の給付調整による制限(介護老人保健施設入所者に対する医療給付制限や在宅医療、特に訪問看護の取扱い等)が実態にあっていないことから発生している問題もある。また、入院医療費削減を目的とした在宅医療への誘導は間違いだ。一方、ターミナルケアでは、在宅ではなく病院・施設を希望する患者もある。患者の要望がきちんと保障される制度づくりが必要だ。現状でどういった矛盾が出ているのかを明らかにし、改善に向けて取り組んでいく」と述べた。
次いで政治的スタンスについて話題となった。「保団連や協会の新聞をみると、政治的スローガンが多いと感じるが」との質問が出された。協会からは「会員の中にいろいろなご意見がある。協会としては保険医の求める要求を汲み取り、その声を代弁していく活動を行う」と回答した。
その他、関理事長より協会が地区医師会にもたらすメリットや協会の魅力を述べるとともに、保険医協会が地区医師会と意思疎通を十分に図る観点から、地区担当制を発足し、理事者・事務局が一体となって連携を深めたいと説明。
西京医師会より「在宅ケアをはじめ地域医療の取り組みをすすめる上で、ぜひ事務方の協力などをお願いしたい」との要望が出され、協会より、できる限り協力したいと回答した。