新規開業予定者のための講習会開く

新規開業予定者のための講習会開く

まずは、開業目的を明確に

講習をきく参加者

 新規開業を考えている勤務医を対象に、協会は1月25日、「新規開業予定者のための講習会」をメルパルク京都で開催した。共催は有限会社アミス。

 第1部は株式会社日本医業総研・シニアマネージャー・田中徳一氏より「開業までの準備と開業後の損益分岐点について」と題して開業までのフローに沿って、どのような準備をしていくのかを解説した。

 まず大事なことは開業目的を明確にすることであり、文章化しておくと壁にぶつかった時にコンセプトのブレを修正できるとした。開業目的を明確にすることで、開業すべき場所や患者層も絞り込める。また、物件探しでは、現地をこまめに探したり、市場に出回っていない物件情報を業者から入手することなどが重要と説明。さらに、物件選定時のチェックポイントとして、電気容量、天井高、荷重耐性などを事前に確認しないと、思わぬ出費を余儀なくされることがあるとアドバイスした。また、物件契約時のチェックポイントとして、特に注意したいのは賃料・保証金等以外に余分な出費事項がないか、解約時の項目は公平な内容となっているか、その他、特約事項についてもよく確認することが必要であると注意喚起した。

 資金計画を立てる際には、開業後の運転資金や、生活費も含めて計画を立てる必要性を強調した。
開業後、スタッフの雇用と定着対策として、面接は複数で行う方がよい。採用後は院長の経営理念をいかに浸透させ、いかにスタッフを育てるかがポイントと指摘した。

集患対策の重点は「信頼を得ること」

アドバイスする岩野理事

 第2部では先輩開業医からのアドバイスとして、中京区で06年に開業し協会理事でもある岩野正宏先生から、実際に開業して経験した内容をアドバイスした。

 実際に開業して現実は厳しいと実感している。集患対策では、「信頼を得ること」に重点をおいている。そのためには、患者さん一人ひとりに対して丁寧に対応し、費用はかかるが安全対策に力を入れている。スタッフ確保が最大の悩みとなっており、スタッフを育てることが大切。また、開業すると勤務医時代とは大きく生活が変化するので、家族への配慮が必要である。医師会・専門医会・保険医協会などへは積極的に参加することで、他の医師とつながりができるし、多くの情報が入ってくる。広告に関しては、二流の新聞に広告を出したために、次から次へと怪しげな雑誌から広告を出すことになり、広告を出す際には注意が必要と、自身の経験を語った。しばらくは経営が大変だが、自分の行いたい医療を提供できるのだから、焦らず、じっくり医療に専念することが大切とアドバイスした。

 最後に、協会の共済制度及び地区医師会への入会手続きについて、北村理事より説明した。

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