日本ローカル鉄道の旅 その6(またまた特別篇)
京都から八戸まで東北横断・三陸リアス北上鈍行の旅(1)
北小路博央(北)
JR京都駅にある日本一のモノとは
第1日 京都―金沢―新潟 538km
前回の連載、「日本ローカル鉄道の旅その5」“京都から稚内まで鈍行乗継の旅”の中で、“稚内からオホーツク太平洋沿岸南下のバス・鈍行乗継の旅”を次回の楽しみに…というようなことを書いたが、コーキ(高貴?)高齢者にとってはもとより尋常な旅ではなく、何時果せるかの思いはあった。そこで、たまたまジパング倶楽部が表記のツアーを募集したのにのってオホーツク沿岸は横において、とりあえず三陸リアス海岸の旅に挑戦することにした。
今回は3泊4日の小旅行だが、私にとっては米坂、仙石、石巻、山田、三陸リアス、八戸線と未乗線6線を乗りつぶすことにもなり、泊りも新潟シティホテル、女川(おながわ)温泉、久慈駅前ホテルとバラエティに富む興味津津の旅になる筈である。
2008年11月某日、京都10時40分発「雷鳥13号」に乗る。今日は新潟まで特急乗継ぎのラクチン旅である。
ところで、JR京都駅に日本一が2つあることをご存知の方がおられるだろうか? 1つはホームの長さで、北陸線特急が出発する0番ホームと、これに続いている西寄りの「はるか」専用30番ホームを合わせての長さ558mである。あと1つはホームが34番線まであることだが、これにはいささか数字のトリックがあって、京都駅には20番台のホームはなく、14番(新幹線ホーム)からいきなり30番にとんでいる。実質的には19番線しかない。このわけは31、32、33、34番線がかつて「山陰1〜4番線」と呼ばれていたのを山陰のサンを30のサンによみかえたものだそうだ。もっともホームの番線に関するトリック(だまし?)は京都駅だけではなくて、新大阪駅(26実は15)、岡山駅(24実は14)がある。実質的な番線数でいうとNo.1は品川駅24、東京駅23、大宮と上野が22、京都の19は5番目になる。京都駅は無理をして日本一を2つこしらえたようなわけで、京都人としてはいささか忸怩たる思いがある。「鉄ちゃん」的マニアックな話はこれ位にして…。
乗り込んだ「雷鳥13号」金沢行はご存知北陸線を走る特急で極めて快適、私は新しい「サンダーバード」系よりクラシック系の「雷鳥」の方が好きだ。今回の添乗さんはFさん(20代後半?の清楚で利発そうな女性)で初対面の印象通りなかなかの女傑であることが追々判ってくる。ツアー御一行は4ペア・2シングル(いづれも女性)の10人、見事に高齢者ばかりであった。さて、今回はどんな旅になることやら…
(続)
JR京都駅0番線に入る特急「雷鳥」