府の医療制度等提案・オンライン請求等

府の医療制度等提案・オンライン請求等

次の医療制度巡り国会議員へ要請

 協会は2月19日、京都府の医療保険制度等に関する提案や「レセプトオンライン請求義務化・社会保障カード」等、次の医療制度をめぐる課題について、京都選出の国会議員に要請した。今回懇談した議員は、泉健太議員(衆・民)、福山哲郎議員(参・民)、前原誠司議員(衆・民)、川合孝典議員(参・民)、北神圭朗議員(衆・民)、井上哲士議員(参・共)の6議員。中川泰宏議員(衆・自)の政策秘書、穀田恵二議員(衆・共)の秘書とも懇談し、面談できなかった議員にも資料を届けた。

 今回の要請では、主に次の点を強調した。

 レセプトオンライン請求義務化・社会保障カードについて―(1)オンライン請求義務化を定めたいわゆる「請求省令」は、2006年4月10日に発出されたが、その前段階において法改正はなされていない。また、辛うじて国会の議を経たといえる可能性があるのは、6月13日に成立した「医療制度改革関連法」における付帯決議のみだが、それすら法的拘束力はない。つまり、国会審議も医療者・国民の意思確認もなく実施されたもの。(2)オンライン請求義務化が請求事務を効率化し、費用節減に役立つとの論があるが、実際の節減効果は何ら示されていない。政府が公式に述べているのは、「審査支払機関の人件費など年間55億円」のみであり、これ自体適切なコスト削減といえるかどうかも疑問である。(3)大きな狙いとして「医療費削減」があり、「医療の標準化」を進め、標準からはみ出した医療の混合診療化にも道を開く。(4)レセプトデータの集積分析の向こうには「社会保障カード」導入による「社会保障個人会計」等、究極の抑制策が企図されている。

 京都府による医療保険制度等に関する提案について―(1)府提案は、国民全体の医療保障に影響を与える内容にかかわらず、地域住民・地方議会・患者・医療者の意見を反映し、慎重に検討されたものではない。(2)さらにその内容は、高齢者医療確保法で敷かれた「都道府県単位の医療費適正化システム構築」に主体的に乗り出すもの。国はすでにこの提案を活用しようしている。(3)都道府県への診療報酬決定権限の委譲を求めている等、提案は、ナショナルミニマムを維持するためのユニバーサルであるべき医療保障を破壊するもの。(4)以上のようなことを踏まえて、国会議員として府提案を十分に吟味検討いただきたい。

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 これに対する各議員の主なコメントは次のとおり。

 オンライン請求義務化にあたり、経過措置が10年くらいあってもおかしくない。経過措置は制度移行にあたっては大切にされなければならない。協会の存在自体が、セーフティネット。その都度情勢を分析され、問題点を伝えていることに感謝をしたい(泉議員)。

 義務化なのに、法律改正がないのはおかしい。厚労省は、これまで極めて重要なことを省令、告示で処理しすぎている(福山議員)。

 (経過措置が短く、乱暴という指摘は)本当だと思う。ソフトランディングさせることは穏当なこと(前原議員)。

 国保の都道府県単位一元化については検討に値すると自分は思う。しかし、診療報酬の決定権限までというのはいかがか(川合議員)。

 国保一元化で診療報酬が都道府県ごとに違うことになると、患者負担も変わってくる。これはよくない。医療は、受益者負担や、給付と負担の公平など、普通の保険原理で考えてはならないものと考えている(北神議員)。

 オンライン請求義務化で廃業する人が一人も出ないようにがんばっていきたい(井上議員)。

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