医界寸評

医界寸評

 「登録販売者」という資格を知っていますか? 一般用医薬品を販売するための新しい資格です。これからは主にドラッグストアで見かけることが多くなります

▼一見、新たな資格の創設で医薬品販売規制を強化したかのようですが、実は規制緩和の一環で高度な知識を持つ薬剤師でなくても医薬品を販売できることが目的です

▼きっかけは実際に薬局やドラッグストアで薬剤師が医薬品販売をしているのか(無資格の店員や家族が販売しているのではないか)調査した放送局の報道や、それに対する指導強化に対し某知事が「そんなことを言っていたら店舗が閉まったり人員配置が減る夜間には大都会でも医薬品が買えなくなる」というような反感を表明したことなどであったようです

▼そしてこれらの解決として一定の危険性の低い医薬品に限って販売できる資格が薬事法の改正に伴って新設されたわけです

▼さて、医療にも同様の情況があります。現状では「適正配置」とか「医学部定員の増加」などでの対応が語られているだけですが、奇策として登録販売者のようなものが浮上してくるようでは困ります。実際にかつて一県一医大構想が議論された頃、当時文化大革命の最中の中国で活躍が報道されていた赤脚医生注)の日本版の創設を唱えた政治家もいたのですから。

(MYCONOS)

 注)半農半医の保健要員。正規の医療教育を受けていないが、農村で軽度の疾病治療に従事したといわれる。

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