税務調査・確定申告の状況について税理士と懇談

税務調査・確定申告の状況について税理士と懇談

 京都府保険医協会は1月8日、協会事業に協力していただいている8人の税理士と懇談し、(1)2008年秋以降の税務調査の状況、(2)08年分の確定申告での留意点を中心に意見交換した。

 当日報告された概要は以下の通り。

 税務調査の状況で、法人医療機関では理事長の個人通帳を確認し、治験収入が個人通帳に入金されていると法人の収入計上漏れとして修正を求められた。法人で出張費を支出し、日当等が団体等から個人に支払われていると悪質な経費計上とみられる。役員退職金の支給に関して事実確認がされ、理事長を退職後、理事として残っている場合は勤務状況を確認される。また役員退職金の計算根拠を問われる。理事長の個人的趣味に関する物品購入が法人負担になっていないかなども調査された。

 個人医療機関の調査では、複数台所有している車両の運行状況を確認される。専従者給与支給額と資格および勤務実態を確認する。従業員に専従者の勤務状況を確認する。

 子どもの年齢から勤務実態が支給額に見合うか否かを確認するというような調査が報告された。専従者給与の妥当な金額としては、明確なラインがあるわけでなく、個々の実態によって異なる。他の医療機関とのバランスをみるが、業務内容を明確にして、金額の妥当性を主張すれば調査に耐えうる。商品券の送り先のリストを求められたり、タクシーの利用料金が事業目的かどうかを調査された。また、税理士報酬やコンサル料が事業関連かどうか、資産運用を含んでいないかどうかも調査対象となった。

 全体として調査で疑義を指摘した内容について結論を出すのが遅くなっており、次の申告時期がくるのにまだ結論が出ないケースもあり、税理士も困ることがあるとの報告であった。

 08年分確定申告の留意事項としては、京都府医師会共済部解散による清算金の取り扱いは事業所得の雑収入として処理し、特定健診・特定保健指導は自費として取り扱う。入金が遅れるため、年末の未入計上が確定しにくく、税務調査で問題になる可能性があるので注意が必要。またその他の注意事項として、海外不動産の売却益が出た時、海外からの送金を税務署はチェックしている。海外で課税されたので、日本で申告は不要と誤解して申告をしないでいると、外国税額控除が使えないケースがあったことが報告された。

ページの先頭へ