読者のひっち俳句
隆英 選
入選
どうだんの紅に染りて歩きけり
素
佳作
小春日やとびの輪高くまた低く
素
来ておりし川原に群れてゆりかもめ
善郎
懲りもせず年毎の紅葉曼殊院
善郎
大比叡横高山も初雪に
絢子
悴みて掴みそこねし小銭かな
絢子
(順不同、仮名づかい新旧自由)
短 評
素さん、「どうだん」は「満天星躑躅(どうだんつつじ)」のことで本邦原産だといいます。鈴蘭に似た白い壺状の小花がいっぱいつき、満天の星に例えてこの字がついたのでしょう。品のあるかわいい花ですが、秋の深紅の紅葉がまた素晴らしく、そばを通ると染まるかと思うほどです。「染りて」と断定したことによって紅葉の色が強調されました。
善郎さん、「懲りもせず」とありますから、毎年曼殊院あたりまで紅葉を見に来ておられるのでしょうか。11月23日の勤労感謝の日に、修学院地区では毎年ごみ拾いをしています。昼ごろ曼殊院あたりを歩くようになりますが、ものすごい人で、道が狭いので詩仙堂の方からと修学院方面からの車が鉢合わせして大変です。ついでに北へ修学院離宮の田圃を眺めながら赤山禅院まで歩かれるとよいでしょう。赤山も紅葉の穴場といわれています。
絢子さん、「大比叡横高山」とゆったりした調べがつづき大景がおおらかに詠われて心地よい作です。
選者吟
咳はげし百日咳という責具
隆英
<応募要領>◇ハガキに5句以内、未発表のもの。応募作品は返却致しません◇住所、氏名、電話番号明記。ただし作品はペンネームで結構です◇送り先:協会保険医新聞担当◇毎月15日締切。毎月第1週号に発表します◇入選者には記念品贈呈◇作品の発表にあたり選者が添削する場合があります。あらかじめご了承下さい。