健康権について国際シンポ

健康権について国際シンポ

垣田副理事長が日本の現状を発言

立命館大で開かれた国際シンポ
立命館大で開かれた国際シンポ

 立命館大学人間科学研究所等が主催し、協会他が後援したシンポジウム「健康権の再検討:近年の国際的議論から日本の課題を探る」が同大学で1月10日に開かれ、パネルディスカッション「日本における健康権保障の現状」に垣田副理事長が出席し、「開業医の立場から近年の地域医療の変容を考える」と題して報告した。

 垣田副理事長は、皆保険制度と低医療費政策のもとでも耐えてきた医療者により、かろうじて維持されてきた日本の医療制度が、聖域なき構造改革によって崩され「医療崩壊」「介護崩壊」を招いている状況や、医師と患者の関係が変化してきて医療崩壊を加速させている面があることを紹介。これに対して基調講演を行ったポール・ハント氏(元国連健康権に関する特別報告者、エセックス大学ロースクール教授)は「制度の不利益変更、例えば負担割合を引き上げる際などは、貧困者にどのような影響が出るかインパクトアセスメント(影響評価)が欠かせない」と今の政策の不備を指摘し、医師と患者の関係については「医師の権利と患者の権利を考えるとき、互いが互いを尊敬できることが重要」と述べ、他のパネリストの報告も交えて健康権を考える上での日本の課題を整理した。

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