西陣医師会・上京東部医師会と懇談

西陣医師会・上京東部医師会と懇談

10月15日 京都ブライトンホテル

「地域医療が危機」との訴えを

 西陣・上京東部医師会との懇談会を10月15日、市内のホテルで、地区から12人、協会から8人が出席して開催した。

20人が出席して開かれた西陣医師会・上京東部医師会との懇談会
20人が出席して開かれた西陣医師会・上京東部医師会との懇談会

 懇談会は西陣医師会・大西勉副会長の司会で進められ、冒頭、西陣医師会・臼井健雄会長が「医療情勢はますます混沌としてきており、山積する諸問題について協会の取り組みや考え方を聞かせてほしい」と挨拶。これを受け関理事長は、後期高齢者医療制度について「協会は制度の問題点を指摘し、自治体にも働きかけを行ってきた。京都市が政令指定都市として初の廃止意見書を可決した。現行制度は廃止して、しっかりとした制度を構築すべき」と挨拶した。

 各部会から情報提供した後、意見交換を行った。まず、レセプトオンライン請求義務化の問題が話題となった。地区より「60歳以上の開業医の約3割から、現行の紙レセプトで請求できないのなら診療を辞めるとの声が協会のアンケート結果で出ている。府内で200〜300人の開業医が診療を辞めることになれば、地域医療は崩壊する。地域医療が、こうした面からも危機にさらされていることを伝えてほしい」「義務化されれば、一般の人はどう困るのか、といったデメリットを、マスコミを動かしてPRすべき。例えば個人情報漏えいが起こるなど、一般市民に訴えるキーワードで、アピールすべき」「保険医が全員、レセプトオンライン請求を許さない、という気概で反対運動をしなければ実効がないのではないか」などの意見が出された。

 これに対し協会より、前述のアンケートが昨年7月の京都新聞の1面に掲載され、京都府北部の医師が少ない地域で、さらに地域医療が厳しくなると報じられ、全国に問題提起したことを紹介するとともに、協会では、引き続き現行の紙レセプトでの請求ができるよう、今後も義務化撤回の運動を続けていく、と述べた。

 また、診療報酬改定に関して「改定のたびに協会は国に要望書を出しているが、以前より是正されていない項目も、引き続き要求してほしい」との意見に対して、協会より、専門医会や地区医師会などから出された要望を集約し、全国の要望を保団連に結集させ、中医協に不合理是正の要求を粘り強く行っていく、と述べた。

 さらに、地域医療に関して「今の診療報酬の仕組みでは、身体的にも経済的にも負担がかかる現実を伝えてほしい」「制度が決まる前に、我々に情報が入り議論できなければならない。情報をいち早く地区医師会に伝えてもらい地域の会員が議論を重ねるべきだ」との意見が出された。

 最後に上京東部医師会・豊田武夫会長は「今後も諸問題が出てさらに厳しい情勢になると思うが、皆が協力していくしかない。よろしくお願いしたい」と述べ、閉会した。

【京都保険医新聞第2669号_2008年12月15日_4面】

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