伏見医師会と懇談

伏見医師会と懇談

10月30日 伏見医師会館

オンライン義務化は国民巻き込む議論を

 伏見医師会との懇談会は10月30日、地区から14人、協会から6人が出席して伏見医師会館で開催した。伏見医師会・吉田昭和副会長の司会で行われた。

20人が出席して開かれた伏見医師会との懇談会
20人が出席して開かれた伏見医師会との懇談会

 冒頭、同会・岸田進会長は、景気の低迷が続き、展望が見えない状態であり、医療界も同様に先行きが不安定である。また、保険医協会はよく勉強され、情報の宝庫であると言う人もいる。今日も様々な情報を提供していただき、忌憚ない意見交換をしたい、と挨拶された。その後、関理事長の挨拶、各部会からの情報提供の後、レセプトオンライン請求義務化問題を中心に、外来管理加算の5分ルール、新京都府医師会館への入居についても意見交換を行った。

 地区から、レセプトオンライン請求の義務化を撤回するには国民を巻き込んだ議論が不可欠である。その観点で、京都新聞に掲載された、60歳以上の会員医師の約3割が「義務化された場合は廃院する」と回答した協会実施のアンケート結果は、地域医療崩壊の可能性を示唆しており、国民に大きな影響を与えたと評価している、との意見があった。また今後、セキュリティーがどこまで整備されるのかなど未知数な部分も多い。今年4月から特定健診・特定保健指導が始まったが、2年前から全国的にオンライン請求を開始するといわれていたにもかかわらず、結局現時点でも完全には機能していない。つまり、情報を管理する立場にある機関にはその能力がないということだという意見をはじめ、情報の錯綜や漏えいを危惧する声が相次いだ。さらに厚生労働省などとの折衝では、オンライン化に必要なコンピュータなどの設備費用の国庫負担を訴えてほしい、と要望があった。

 協会は、オンライン請求義務化の撤回を国民の声として広げるため、オンライン請求義務化の問題点をわかりやすく解説した患者・市民向けのパンフレットを作成し、これを基に全国に普及させた。その内容にふれるとともに、義務化撤回を求める署名への協力を要請した。

 外来管理加算の5分ルールについては、診察時間に対して患者数が多いと減点査定されるケースはないか、との質問が出され、協会から、今のところそのようなケースは聞いていないと回答した。その上で、今回の改定で、診療報酬の算定に時間要件の導入を認めた中医協は、大きな失態をした。今後は5分ルール導入に至った根拠が乏しいことを指摘し、撤回を求めていきたい、と述べた。

【京都保険医新聞第2669号_2008年12月15日_4面】

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