日本ローカル鉄道の旅 その5(特別篇)
京都から稚内まで 鈍行列車乗継ぎ6日間の旅(3)
北小路 博央(北)
第2日:直江津─新潟─村上─あつみ温泉(山形県)280km
山形県随一の超豪華旅館にびっくり!
10時10分直江津発新潟行の快速「くびきの3号」に乗るまでにホテル近くの八坂神社にお参りする。参道の両側にうらびれたスナックが乱立しているのにいささか度肝を抜かれている中に小雨が降り出した。
「くびきの3号」はかつて信越本線を走っていた特急列車の編成をそのまま使っていて、車輌は古いが座席は快適、約30%の乗車率ではもったいない感じがする。
朝の直江津駅快速「くびきの」優等列車
新潟駅での乗り換えでは1時間30分、この間に自由昼食となり、駅前の小料理屋で「日本海刺身定食」をとる。ビジネスマン風のランチ客で満席であった。
13時27分新潟発村上行鈍行は2輌、100%に近い混みよう、新潟―新発田間の白新線27・3kmは初乗りでいささか緊張する間に雨が強くなる。
村上駅での下車は初めて、1時間20分の待ち合わせの間に予定していた鮭の遡上で有名な三面川公園の見物は雨のため断念、駅前のコーヒーショップで小憩、意外においしいコーヒーで得をした感じ。
雨の村上駅前
16時03分村上発酒田行鈍行に50分ゆられて、「あつみ温泉」駅に着く。温海温泉は山形県随一の高級温泉で、駅からタクシー5分の「万国屋」では10階建の豪華老舗旅館にびっくり。部屋も風呂も夕食も豪華で、ジパングツアーには時々こうしたサプライズがある。
夕食には山海の珍味が出て御一行15人もかなり打ち解けたムードになった。4ペアのうち、O夫妻は60歳代で元気いっぱい、K夫妻は夫人がアクティブな方で女性シングル4人に混ざってにぎやかなリーダー格、T夫妻はもの静かで貫録があり、大きなカメラを手離さない写真マニア、一番親しくお話しをする機会が多かった。女性シングル4人は孤独を好むらしい1人を除いて、あとはK夫人を加えてにぎやかを通りこして少々騒々しい。男性シングル(70歳代2人・60歳代1人)はいつも一緒の行動で、いっぱい入ると行程や宿に対して中々厳しいことをおっしゃるクレーマー的グループ。
私たち夫婦はどうも最高年齢のようで何となく長老扱いをされている感じがあった。
今日は距離、乗車時間とも最短で楽々コース、宿にも恵まれ明日は遅立ちで一同リラックスして安眠できたはずが、夜半のものすごい豪雨でしばしば目を覚ます破目になった。(続)
あづみ温泉「万国屋」旅館
【京都保険医新聞第2667・68号_2008年12月1・8_6面】