臨床研究中核病院、3月上旬にも公募開始へ/厚労省  PDF

臨床研究中核病院、3月上旬にも公募開始へ/厚労省

 厚生労働省は、日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出に向け、医師主導治験や質の高い臨床研究の体制整備を強化する。3月上旬にも国際水準(ICH−GCP準拠)の臨床研究を行う「臨床研究中核病院」(仮称)や、日本主導型グローバル臨床研究拠点の公募を開始する予定。2012年度予算案では、臨床研究中核病院の整備・研究事業に計30.5億円、日本主導型グローバル臨床研究拠点整備に3.7億円を投入する。

 厚労省は、年度内の策定を目指して議論を進めている12年度以降の次期臨床研究・治験活性化計画(いわゆる「ポスト5カ年計画」)の柱の一つに、日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出を目指し、医師主導治験や国際水準の臨床研究の体制整備を掲げている。「企業治験は一定の体制を整備できた」(厚労省)として、今後は臨床研究に重点を置く方針で、12年度予算案に臨床研究中核病院や日本主導型グローバル臨床研究拠点の整備事業を盛り込んだ。現在、各事業の実施要綱の作成などを進めている。

 臨床研究中核病院は、薬事承認申請データとして活用できる国際水準の臨床研究を実施し、患者数が少なく企業が開発を進めにくい小児疾患・難病等の医師主導治験や最適な治療法を見いだすための市販後臨床研究などの中核機能を担う拠点と位置付ける。12年度は5カ所を整備し、うち1カ所は東日本大震災の被災地から選定する。医療機関の体制整備に25.5億円、研究費に5億円を充てる。各医療機関の申請内容に応じて補助金の配分を決める。

 臨床研究中核病院の要件として、▽出口戦略を見据えた適切な臨床研究計画の企画・立案▽適切で透明性の高い倫理審査の実施▽ICH−GCPに準拠したデータの信頼性保証の確保▽シーズに関する知的財産の管理・技術移転の実施▽質の高い多施設共同臨床研究の企画・立案―などの機能を有することを検討中だ。国際水準の臨床研究を実施するための人材や体制の確保など、具体的な応募要領は今後詰める。

 一方、グローバル臨床研究は、これまでのような欧米が企画・立案した研究の受託ではなく、日本・アジアに特有な疾患のエビデンスの確立に向けて、日本が主導してグローバル臨床研究を実施する体制を構築する。12年度は2カ所を公募し、グローバル臨床研究のプロトコルの作成やモニタリングの実施などを支援する。公募対象は医療機関や研究機関を想定している。(2/10MEDIFAXより)

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