「処遇改善なし」が4割/介護従事者の就業実態調査  PDF

「処遇改善なし」が4割/介護従事者の就業実態調査

 介護従事者の処遇改善などを柱に3%のプラス改定となった2009年度介護報酬改定後も、特に処遇は改善されなかったと答えた介護従事者は約4割に上ることが、介護労働安定センターがまとめた「09年度介護労働実態調査・介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書」で分かった。

 09年度介護報酬改定を受けて実施したと説明のあった処遇改善について、複数回答で聞いたところ、「いずれもなし」が37.7%で最も多く、次いで「基本給の引き上げ」17.3%、「諸手当の導入・引き上げ」13.9%、「一時金の支給」12.6%などだった。

 サービス種別に見ると、介護老人保健施設でも「いずれもなし」が最多で36.8%。次いで「諸手当の導入・引き上げ」21.1%、「基本給の引き上げ」19.2%などだった。介護老人福祉施設でも「いずれもなし」が26.8%で最も多く、「基本給の引き上げ」23.1%、「諸手当の導入・引き上げ」22.8%と続いた。

 介護従事者5万580人を対象に09年11月に調査を実施。2万630人から有効回答を得た。

●税込み平均月収は約18万5000円

 介護従事者の通常月の税込み平均月収(賞与は除き、残業代、休日出勤手当、交通費などの諸手当を含む)は全体で18万4700円だった。職種別に見ると、正社員の訪問介護員は19万400円、非正社員の訪問介護員は10万1700円。正社員の訪問看護員は26万9300円、非正社員の訪問看護員は13万1200円だった。

 サービス種別に見ると、介護老人保健施設が22万8100円、介護療養型医療施設が21万7500円、介護老人福祉施設が21万3000円だった。

●労働条件の悩み「賃金が低い」が最多

 労働条件の悩みや不満などを複数回答で聞いたところ、全体では「仕事内容のわりに賃金が低い」が50.2%を占め、最も多かった。次いで「人手が足りない」39.4%、「有給休暇が取りにくい」36.9%、「業務に対する社会的評価が低い」36.4%などだった。

 一方、働く上での悩みや不満などの解消に向けた取り組みで、役立つと思う項目を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「介護能力の向上に向けた研修」で40.2%だった。(8/19MEDIFAXより)

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