行政刷新の「事業仕分け」に猛反発/中医協委員「乱暴な議論」  PDF

行政刷新の「事業仕分け」に猛反発/中医協委員「乱暴な議論」

 厚生労働省は11月13日の中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大教授)で、病院と診療所の診療報酬の配分や診療科間の配分を2010年度診療報酬改定で見直すよう、政府の行政刷新会議のワーキンググループが結論付けたと報告した。委員からはワーキンググループの結論に「乱暴な議論」と反発の声が相次いだ。

 嘉山孝正委員(山形大医学部長)は「事業仕分けは、かなり乱暴」とし、刷新会議に対して、中医協として慎重な議論を求める意見を示すべきだと主張した。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)も、診療科間の配分見直しについて「収益が伸びたから下げようというのはおかしい。社会的なニーズが高まっていることもある」と反論を展開した。

意見具申めぐっては見解分かれる

 ただ、嘉山委員が提案した刷新会議への「意見具申」については見解が分かれた。北村光一委員(日本経団連・社会保障委員会医療改革部会部会長代理)は、ワーキンググループでの議論に対する嘉山委員の見解には同意しつつも「新政権下での取り組み。冷静に議論を見守るべきだ」と主張。これに対し西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「(刷新会議の)結論が出てからでは遅い。中医協で週2回、膨大な資料を見て議論している意味がなくなる」と述べ、嘉山委員の提案に同調した。

 一方、勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は「中医協委員も、まだ報道ベースでしか詳しいことを知らない」とし、拙速な対応に難色を示した。

 遠藤委員長は「中医協の意思決定のプロセスは全会一致。マジョリティーは意見を出すことだが、反対もある」として結論を見送った。(11/13MEDIFAXより)

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