医療費の自然増、今後は2%台に/日医総研、医療費動向を分析
日医総研はこのほど、「2008年度診療報酬改定後の医療費の動向分析」(前田由美子研究部専門部長・主席兼務)をテーマにまとめたワーキングペーパー(WP)を公表した。厚生労働省の「平成20年度医療費の動向」に基づき、医療費全体の推移とその要因を分析した。
厚労省は稼働日数補正後の医療費を用いて、伸び率は3%台としているが、従来通り補正前のデータを用いれば2.7%になると指摘。また、人口増減や高齢化、医療の高度化を見据えれば、今後は2%台で推移するとの見通しを強調した。
WPは、厚労省の予想通り医療費が伸びない背景として、受診延べ日数の減少があると指摘。今後の改定論議を見据え、平均在院日数短縮化をもたらした医療制度改革や、受診抑制を引き起こす社会情勢などについて、共通認識を持つべきと指摘した。
また、診療報酬改定のなかった07年度の対前年度比3.1%増を自然増とすれば、08年度医療費は対前年度比1.9%増だったことから08年度改定の影響は1.2%減になるとし、08年4月の改定率0.82%減を下回る結果になったとした。(10/5MEDIFAXより)