社会保障の「ほころび」修復を/骨太09決定、安定財源の確保も強調
6月23日に閣議決定した「経済財政改革の基本方針(骨太方針)2009〜安心・活力・責任〜」では、最優先課題として「経済危機克服」と「安心社会実現」を両輪に位置付けた。特に安心社会実現に向けては、機能強化・効率化により社会保障の「ほころび」を修復する方針を打ち出し、税制抜本改革を通じた安定財源の裏打ちを制度的に確保する考えを盛り込んだ。
骨太09は、(1)危機克服の道筋(2)成長力の強化(3)安心社会の実現(4)今後の財政運営の在り方―の4章立て。このうち社会保障関係をみると、成長力強化の1つとして「健康長寿」を位置付けた。
健康長寿では、介護分野での雇用を3年間で30万人創出するほか、地域医療の再生、大学病院の機能強化、医療拠点病院の強化などを盛り込んだ。さらに、世界トップレベルの新型インフルエンザ対策や医療IT化推進などもメニューに載せた。さらに成長力強化を図る上で、規制・制度改革が重要との観点から、専門看護師の業務拡大などについて専門家会議で検討し、2009年度中に具体策を取りまとめることを課題に挙げた。
安心社会実現に向けては、社会保障の機能強化・効率化が不可欠との見方を表明。中期プログラムで示された11年度までに実施すべき重要事項を着実に実行すべきとした。具体的には、13年度からスタートする新たな医療計画で、急性期医療の新指針策定を求めた。
10年度の診療報酬改定については、「選択と集中」の考え方に基づき、診療報酬の配分見直しや、救急、産科などの体制強化策を検討するとした。医療・介護が連携したサービスを提供するため、12年度の介護報酬との同時改定に向けて検討を進める必要性も示した。
また、急性期医療の職員配置、医療・介護のマンパワー数、機能別の病床数など15年時点の「医療・介護サービス・人材整備目標」について、「税制抜本改革を実施する前に具体案を検討すべき事項」として取り上げた。(6/24MEDIFAXより)