「2200億円」の記載は見送り/財政審が建議、骨太06の考え方は維持  PDF

「2200億円」の記載は見送り/財政審が建議、骨太06の考え方は維持

 財政制度等審議会は6月3日、2010年度予算編成に関する建議をまとめ、与謝野馨財務相に提出した(資料1、後掲30ページ)。11年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化目標について建議は「達成困難になったと言わざるを得ない」と強調。ただ「基本(骨太)方針06の考え方を踏まえた歳出改革を維持していくことが必要」とクギを刺した。骨太06から続く社会保障費2200億円削減方針については、具体的な数値の記載を見送り、無駄の排除は必要との考えを示すにとどめた。

 現在の財政状況については「公債依存度が過去最悪の水準まで落ち込み、わが国財政は極めて危機的状況」との認識を表明。「11年度のPB黒字化目標は達成困難」との見通しを示した。

 今後の財政運営に向けては「財政の状況を真正面から受け止め、財政の持続可能性確保に向けた基本的考え方を国民に示すべき」とした。その上で、骨太06の基本的な考え方について「重要性はいささかも変わらず、むしろ一層高まっている」と強調。10年度予算でも、骨太06の歳出改革を維持すべきとした。

 さらに、財政の持続可能性を確保する上で「債務残高対GDP比の発散を止め、安定的な引き下げが必要不可欠」と強調。達成時期は明示しなかったものの「PB黒字化に向け、その道筋を示しつつ、その早期実現を図るべき」ともうたった。(6/4MEDIFAXより)

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