産科医、55%が定数割れ/総合母子医療センター
緊急処置の必要な妊婦や赤ちゃんを受け入れる全国の「総合周産期母子医療センター」(計75施設)のうち、共同通信の緊急調査に回答した60施設中55%は必要な産科の常勤医数を確保できずに定数割れに陥っていることが10月29日、分かった。
当直の産科医が1人態勢のセンターが半数を占め、全体の90%以上が産科医確保に「苦労している」とした。
センターに指定されている東京都立墨東病院など8病院に受け入れを断られた妊婦の死亡判明から1週間。母子の命を救う「最後のとりで」とも言えるセンターの中には、東京以外でも綱渡り診療を余儀なくされているところが少なくない現状が浮かんだ。
調査は23日から全センターを対象に質問用紙を配布して実施。匿名を条件に医師数や診療上の不安を尋ね、60施設(回答率80%) からファクスで回答を得た。
定数は各病院が望ましいと考える医師数を独自に定めるもので、それより産科の常勤医数が下回っているのは33施設(55%)。うち4施設は定数の半分以下だった。定数を満たすのは17施設(28%) で、残る10施設は定数なし(9) と無回答(1)。【共同】