無保険の子どもは3万2903人/厚労省、短期証の発行など市町村に要請  PDF

無保険の子どもは3万2903人/厚労省、短期証の発行など市町村に要請

 親が国民健康保険料を滞納したため被保険者証の返還を余儀なくされ、医療費を一時的に全額負担しなければならない中学生以下の子どもが全国で3万2903人いることが10月30日、厚生労働省が発表した「資格証明書の発行に関する調査」で分かった(資料1)。調査結果を受け厚労省は、子どもが受診を控えることがないよう短期被保険者証を交付するなど、きめ細かい対応を市町村に求める通知を同日付で発出した。

 親の保険料の滞納で責任のない子どもまで医療にかかれないとの一般紙などの報道を受け、厚労省は今回初めて、被保険者資格証明書の交付世帯の子どもの人数を調査した。9月15日時点での交付世帯は33万742世帯で、うち子どものいる世帯数は1万8240世帯。中学生以下の子どもは3万2903人いることが判明した。

 調査結果を受け、厚労省は子どものいる滞納世帯に資格証明書を交付する場合の留意点を通知した。通知では資格証明書を機械的に交付するのではなく、事前に戸別訪問などを行い、特別な事情がないか把握することを求めている。また、可能な限り短期被保険者証を活用して滞納者と接触することや、必要な治療を親が拒む「医療ネグレクト」などがあった場合には児童相談所などと連携を取ることを求めている。

 さらに、資格証明書が交付された場合でも、「医療費が支払えず子どもが医療機関を受診できない」と世帯主が市町村の窓口に訴えた場合には、速やかに世帯の短期被保険者証を交付するよう求めている。(10/31MEDIFAXより)

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