【医療費】医療保険国庫負担、自然増踏まえ3.3%増/13年度8兆9700億円要求
厚生労働省が2013年度予算概算要求で医療保険給付費などの国庫負担について、12年度当初予算に比べて3.32%増となる8兆9709億円を計上していることが分かった。同省は10月16日に11年度の政策評価結果を公表。政策評価の結果や医療費国庫負担の自然増などを踏まえて、13年度予算で増額を求めた。
11年度の医療保険制度の運営について実績評価を行った有識者は、現状分析として▽経済情勢が厳しい中、保険者による医療費適正化の推進、保険料・国庫補助率の引き上げによって、できる限り効率的・安定的な財政運営を図る努力が行われた▽事務の効率化推進について、保険者、審査支払機関ともに有効な取り組みが行われている―との評価を示した。今後の方向性については、保険者の所得格差を踏まえた財政基盤の強化や保険者機能の強化を進めるとともに、効率化を進めることが重要と指摘した。
●「指標の追加」13年度計画で検討
施策目標に設定した「適正かつ安定的な医療保険制度を構築する」には、7つの評価指標がある。政策評価を行った学習院大の遠藤久夫教授は、このうち「赤字保険者の割合」「医療保険制度ごとの経常収支」「医療保険制度ごとの保険料収納率」は経済状況の影響を強く受けるため指標として問題があると指摘。「電子レセプトに対応している保険者数の割合」「レセプトの電子化」については、実績値の多くが90%を超えており、新たな指標を追加すべきとの意見を示した。厚労省はこれらの指摘を受けて、13年度の計画を策定する際に検討するとした。(10/17MEDIFAXより)