過去最高の37.8兆円、9年連続増/2011年度医療費動向
厚生労働省が8月24日公表した2011年度の医療費動向調査の結果によると、11年度の医療費は前年度に比べて約1.1兆円増加し、過去最高の37.8兆円となった。医療費の増加は9年連続。
医療費の伸び率は3.1%(稼働日数補正後2.8%)。従来、伸び率はおおむね3%前後で推移しており、11年度も従来通りの水準となった。
延患者数に相当する受診延日数総計は0.1%減。内訳は入院0.6%減、入院外0.3%減、歯科1.2%増となった。一方、1日当たりの医療費(診療単価)は3.2%増の1万4400円で、内訳は入院が2.7%増の3万1700円、入院外が2.5%増の7700円、歯科が1.3%増の6400円。
厚労省は、患者数の減少があったにもかかわらず医療費が増えた要因について、診療単価が3%台の増加となったことを挙げている。診療単価が上がった要因については、高齢化が1.5%程度、医療の高度化が2%程度、人口がマイナス0.2%程度と分析している。
●入院は伸び率2.1%、15.2兆円
医療費37.8兆円のうち、入院の医療費は15.2兆円で全体の40.3%を占めた。同様に入院外は13.3兆円で35.1%、歯科は2.7兆円で7.0%、調剤は6.6兆円で17.4%をそれぞれ占めた。入院外と調剤を合わせると19.8兆円で52.5%となる。
伸び率は入院が2.1%、入院外が2.2%、歯科が2.6%、調剤が7.9%となった。入院外と調剤を合わせた伸び率も4.0%と高かった。
●福島の入院3.6%減
東日本大震災の被災3県の医療費伸び率は、岩手3.0%、宮城4.3%、福島0.4%となった。福島は入院がマイナス3.6%、入院外がマイナス0.2%だった。(8/27MEDIFAXより)