「従業員が不足」全事業所の53.1%/11年度介護労働実態調査
介護サービスの従業員が不足している事業所は全体の53.1%を占め、最も足りないのは訪問介護員―。こうした実態が介護労働安定センターの「2011年度介護労働実態調査」で分かった。調査は、介護保険サービスを実施する全国の事業所から1万7151事業所を無作為に抽出して11年11月に実施。7070事業所から回答を得た。
従業員が不足していると回答した事業所は全体の53.1%で、前年度に比べて2.8ポイント増加した。「大いに不足」が3.3%、「不足」が17.1%、「やや不足」が32.7%だった。「従業員数が適当」と回答した事業所は全体の46.1%で、2.7ポイント減少した。
不足している職種の割合を見ると、「訪問介護員」が70.3%で最も多く、「介護職員」44.9%、「看護職員」39.7%と続いた。
介護サービスを運営する上での問題点を複数回答で聞いたところ、「良質な人材の確保が難しい」が50.4%で最も多く、「今の介護報酬では人材確保・定着のために十分な賃金を支払えない」が49.8%、「指定介護サービス提供に関する書類作成が煩雑で、時間に追われてしまう」が32.6%となった。
●離職率は改善
10年10月から11年9月までの介護従事者の離職率は16.1%で前年度から1.7ポイント減少した。採用率は21.0%で、こちらも4.8ポイント減少した。
●処遇交付金「申請した」73.4%
介護職員処遇改善交付金については「申請し、受け取った」が73.4%、「申請していない」が16.2%だった。交付金を受け取った事業所にその後の対応を複数回答で聞いたところ、「一時金の支給」が67.0%で最も多く、次いで「諸手当の導入・引き上げ」が40.2%、「基本給の引き上げ」が22.2%、「教育研修の充実」が16.1%だった。(8/21MEDIFAXより)