【難病】医療費助成の疾患範囲を拡大/難病委が中間報告
法制化も視野に難病対策の総合的な見直しを進めている厚生労働省の厚生科学審議会・疾病対策部会難病対策委員会(委員長=金澤一郎・国際医療福祉大大学院長)は8月16日、医療費助成の対象となる疾患の範囲拡大や給付水準の見直しなどを盛り込んだ中間報告案を大筋で了承した。今後は対象疾患の具体的な範囲や給付水準の在り方などについて、中間報告で示された方向性を基に議論を進めていくことになる。中間報告は8月22日の厚科審・疾病対策部会に報告する。
医療費助成の対象疾患については、2002年8月に同委員会が中間報告で示した▽症例が比較的少ないために全国的な規模で研究を行わなければ対策が進まない▽原因不明▽効果的な治療法が未確立▽長期療養が必要―の4要素を基本的に踏襲する。
対象疾患の範囲を見直す際には、難治性疾患克服研究事業「今後の難病対策のあり方に関する研究班」が調査・分析する疾患ごとのデータ結果などを参考に、具体的な範囲を検討する。効果的な治療法が確立するなど、治療成績が向上した疾患については、引き続き医療費助成の対象疾患として取り扱うことが適当かどうかを定期的に評価し、見直していくことが必要だとした。
難病患者が医療費助成の対象疾患に罹患しているかどうかの判断は、専門医が診断基準に基づいて的確に診断するべきだとして、自治体の指定を受けた専門医の診断を医療費助成の要件とすることが必要だとした。
給付水準の見直しでは、入院時の食事と生活に関する自己負担や、薬局での保険調剤に関する自己負担などが今後の検討事項として挙がった。(8/17MEDIFAXより)