2年連続で黒字病院が過半数/全自病・11年度決算見込み調査
全国自治体病院協議会は7月12日、会員病院の2011年度決算見込額を調査した報告書を発表した。地方公営企業法適用病院(法適用病院)では、経常収支が赤字となった病院は44.3%、黒字病院は55.7%で、2年連続で黒字病院数が赤字病院数を上回った。
会員病院927病院を調査対象とし、うち517病院(55.8%)を集計対象とした。517病院のうち法適用病院は497病院、地方独立行政法人は20病院。
法適用病院の経常収支を見ると、2年連続で黒字だった病院は46.9%、11年度に黒字に好転した病院は8.9%だった。一方、2年連続の赤字病院は36.4%、11年度に赤字に転じた病院は7.8%だった。
100床当たりの経常収益は20億6213万円で前年度比1.8%の増。経常費用は20億4930万円で前年度比2.0%の増となった。
●中小病院で厳しい状況も
法適用病院を病床規模別に見ると、病床規模が大きくなるほど黒字病院が増える傾向があった。
法適用病院全体の1日平均患者数(1病院当たり)を見ると、入院延べ患者数は前年度比0.9%減、外来延べ患者数も1.1%の減少となった。特に20−99床病院の入院延べ患者数は4.3%減と、病床規模別で最も減少幅が大きかった。
●入院単価は4万2688円
法適用病院全体の入院患者1人1日当たり診療収入(1病院当たり)の平均額は4万2688円で、前年度に比べて1104円の増加。患者数は減少したが診療単価が上がっていた。
法適用病院全体の年度末職員数は13万2615人で前年度に比べて1.8%増加した。ただ、20−99床では0.3%の減となった。全体で医師、看護師などは増加していたが、准看護師は減少していた。
一方、地方独立行政法人が設置する病院は、回答のあった20病院のうち経常収支が赤字となったのが5病院で、前年度と変わらなかった。(7/13MEDIFAXより)