9割スプリンクラーなし/入院設備ある診療所  PDF

9割スプリンクラーなし/入院設備ある診療所

 総務省消防庁は1月16日、全国の入院設備がある診療所の94.6%でスプリンクラーが設置されていないとする調査結果を公表した。福岡市の診療所で2013年10月、入院中の高齢者ら10人が死亡した火災を受けて実施、再発防止策を話し合う消防庁の検討部会で報告した。

 検討部会は、延べ床面積6000平方メートル未満の小規模施設にも、スプリンクラーの設置義務を拡大する必要があるとの方向で一致。3月末までに中間報告をまとめる。

 調査によると、入院設備がある7744の診療所のうち、13年10月時点でスプリンクラー設置は416カ所にとどまった。設置している診療所のうち78カ所は設置義務があるところだった。

 また、一定規模以上の診療所(6073カ所)は年2回以上、消火や避難訓練を実施することが義務付けられているが、2回以上行っていた施設は、消火訓練が35.9%、避難訓練が37.6%にとどまった。

 厚生労働省は13年12月、入院施設がある小規模診療所にスプリンクラーを設置する場合、1平方メートル当たり1万7000円の補助金を出す方針を決めている。

 スプリンクラーは、病院は延べ床面積3000平方メートル以上の施設に義務付けられているが、診療所は同6000平方メートル以上と要件が緩い。(1/17MEDIFAXより)

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