【中医協】初・再診の消費税補填、公益裁定へ/中医協総会、折り合えず  PDF

【中医協】初・再診の消費税補填、公益裁定へ/中医協総会、折り合えず

 中医協総会は1月29日、2014年度診療報酬改定に向け、個別改定項目ごとに具体的な内容をまとめた資料(いわゆる短冊)を基に協議を開始した。厚生労働省は短冊の中の「消費税率8%への引き上げに伴う対応」で、診療所への補填を「初診料12点増、再診料3点増」とする案を示したが、支払い側委員は猛反発。厚労省案を支持する診療側委員と折り合えず公益裁定で決着することになった。次回2月5日の総会で判断が下される。

 支払い側委員は白川修二委員(健保連専務理事)を中心に、声をそろえて厚労省案に反対した。▽消費税分科会の中間整理では、基本診療料と個別項目を組み合わせて対応することになっていた▽厚労省案では、初・再診料の上げ幅が増税される3%を超える▽基本診療料のみの対応は、サービスを受けた者が負担する消費税の原則に反する▽診療報酬の課税化など抜本改革が実現するとは限らない―などを反対の理由に挙げた。

●報酬対応自体に矛盾
 診療側は、消費増税の対応を診療報酬で行うことがそもそも矛盾をはらんでおり、その中で最も公平感のある方法が基本診療料に乗せることだと主張。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「税率10%時点では課税化を求めている。決まっていないというが、準備はしておかねばならない」と述べ、基本診療料に補填財源を全て活用するのは1年半のみの短期間だという考えをあらためて示した。

 中川俊男委員(日医副会長)は「さまざまな項目の診療報酬があり、全体で見れば3%負担になる。個別項目に乗せた方が患者から不公平感が出る」と指摘。安達秀樹委員(日医・社会保険診療報酬検討委員会委員長)は、消費税分科会の「基本診療料を中心としつつ個別項目への上乗せを組み合わせる」という中間整理について「その配分の考え方で支払い側と認識がずれていた。(全額基本診療料に付けても)補填分は1.36%で差し引きはゼロ。むしろマイナスになることを懸念している」と語り、基本診療料に全額補填されても医療機関が利益を得るわけではないことに理解を求めた。

 対して支払い側委員は、矢内邦夫委員(全国健康保険協会東京支部長)、石山惠司委員(経団連・医療改革部会部会長代理)、花井十伍委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)なども反対論を主張。支払い側、診療側の双方が合意は不可能と判断し、最終手段である公益委員の裁定に委ねることを決めた。次回総会で裁定する。公益裁定は最終判断になるため、どのような結論でも尊重する必要がある。(1/30MEDIFAXより)

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