【中医協】主治医機能の強化策で本格議論スタート/中医協で厚労省が論点  PDF

【中医協】主治医機能の強化策で本格議論スタート/中医協で厚労省が論点

 厚生労働省は10月9日の中医協総会(会長=森田朗・学習院大教授)に、外来機能分化の焦点の一つである「主治医機能」の考え方を提示した。複数の慢性疾患を持つ患者に対する気軽な健康相談や、服薬管理、介護サービスの提供、在宅医療の提供、24時間対応などが期待されるとし、評価の対象として▽高血圧症▽糖尿病▽脂質異常症▽認知症─の患者を例示した。中医協では、次期診療報酬改定で主治医機能の強化と評価体系の具体策について議論を進める方向で一致した。

 厚労省は主治医機能評価の論点として▽対象は診療所と中小病院▽患者が通院している医療機関を全て把握し、処方されている医薬品を全て管理することが重要。一元的な服薬管理を行う体制をどう考えるか▽患者の健康状態を管理し、気軽に健康相談できる体制をどう考えるか。たばこ対策をどう考えるか─などを挙げた。

 診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「対象疾患の高血圧症、糖尿病、脂質異常症については生活習慣病管理料として現在でも評価されているが、算定には毎月1回指導箋の発行が必要であり、継続的管理で患者にはなかなか分かりにくいこともあって算定を控える傾向にある。それらを踏まえて包括評価をしていこうということか」と質問。支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)も「(例示された)3つの慢性疾患と認知症の患者は、特定の診療所などの医師と契約をする。月間の包括評価の中で機能を担ってもらい、それ以外のものについては別途評価するイメージを持っているが、事務局はどうか」と質問した。

 厚労省保険局医療課の宇都宮啓課長は、安達委員の質問に対し「生活習慣病管理料の算定が低い中で、高齢化が進み認知症患者も増加していく。診療報酬として何ができるか。主治医機能を総合的に評価することを議論してもらいたい」と回答。白川委員に対しては「健康管理などを主治医機能として評価するとすれば、これまでの出来高評価では治療の部分しか評価できない。総合的な評価ということで必ずしも出来高ではない評価の形があるのではないか」と答え、あくまで「総合的な評価」と表現した。

 安達委員は「出来高払いが主張の第一だが、主治医機能を包括で評価するならば、出来高の点数と比較して粗診とならないような点数でなければ納得はできない」と牽制。白川委員は「イメージとしては主治医機能は包括評価を主体に、出来高が発生したら出来高で、という組み合わせで進める方向でよいのではないか」とした上で、厚労省の提案に加え▽専門医を紹介する機能▽高齢者のターミナルケアにおける相談機能−を主治医機能として書き込むよう求めた。(10/10MEDIFAXより)

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