「必要な受診ができない」14.2%/生活と支え合い調査  PDF

「必要な受診ができない」14.2%/生活と支 え合い調査

 国立社会保障・人口問題研究所が7月24日に発表した「生活と支え合いに関する調査」の結果から、2012年7月1日以前の過去1年間に医療機関の受診を必要としながら実際に受診できなかった人の割合は14.2%に達していることが分かった。受診できなかった理由は「病院・診療所に行く時間がなかった」が最も多く、20−64歳では67.1%、65歳以上では33.2%を占めた。

 調査は「全世代対応型」の社会保障制度に向けた基礎的資料を得るため、医療機関の利用状況のほか、各世帯の家計などの状況、家族や地域とのつながりや支え合いの実態などを把握することが目的。厚生労働省が行った12年国民生活基礎調査の対象地区1102地区(福島県を除く)の中から無作為に300地区を抽出し、そこに居住する世帯主と20歳以上の個人について12年7月1日現在の状況を調べた。調査対象の世帯に1万6096票の調査票を配布し、1万1450票を回収した。有効回収率は68.3%だった。20歳以上の個人に配布した調査票は2万6260票で、有効回収票は2万1173票。有効回収率は80.6%だった。

 個人を対象とした調査で、過去1年間に医療機関への必要な受診ができなかった人は、男性が13.8%、女性は14.6%だった。年齢階級別に見ると、20−59歳で未受診経験の割合が高く、60−64歳から低下し、65歳以上では10%を下回った。

 医療機関を受診できなかった理由として「病院・診療所に行く時間がなかった」に次いで多いのは、20−64歳では「公的医療保険に加入していたが、医療費を支払うことができなかった」が15.3%。65歳以上の高齢者では「病院・診療所まで距離が遠く、通院が困難」が19.0%、さらに、「身体上の理由で、病院や診療所に行くことが困難」が16.4%と続いた。「公的医療保険に未加入で、医療費の支払いもできなかった」と回答した人も、20−64歳と65歳以上の双方で3%弱存在する。

 過去1年間に健康診断を受診しなかった人は27.8%だった。男女別の内訳は、男性23.6%、女性31.7%だった。特に30−34歳の女性において41.9%と非常に高くなっている。未受診の理由については、「必要があると思わない」が65歳以上で48.1%、20−64歳で43.4%と最も多かった。(7/25MEDIFAXより)

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