【国民会議】論点に自由開業やフリーアクセス見直し/国民会議で集中討議  PDF

【国民会議】論点に自由開業やフリーアクセス見直し/国民会議で集中討議

 社会保障制度改革国民会議は3月27日、四病院団体協議会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、全国老人福祉施設協議会、民間介護事業推進委員会の6団体を交えて医療・介護分野の集中討議を開始した。地域・診療科の偏在問題や、自由開業・自由標榜制の課題、フリーアクセスなどをめぐって踏み込んだ発言が相次いだ。

 自由討論が始まると永井良三委員(自治医科大学長)が先鞭をつけ、病院団体に対して「医師の配置や地域における病院の配置、機能分化をどう進めるべきか」と質問。これに対して四病協から日本病院会の堺常雄会長が「診療報酬と医療法の両輪で進めるのが良い。病院が各都道府県に毎年提出しているデータが活用されていない。医療計画に地域内の需要と供給のバランスを盛り込むべき」と述べた。さらに、「2013年の医療計画に盛り込むのは無理だし、18年では遅すぎる。例えば国民会議が、次期医療計画を前倒しで策定し、それまでに必要なデータを提出するようにと約束すれば一歩前進するのではないか」と提案し、国民会議に主導するよう要請した。

●地域で診療所と専門医に上限を
 自由開業制と自由標榜制については日本精神科病院協会の山崎學会長が問題提起。「病院勤務医と開業医の数がアンバランスだ」と指摘し、「診療所の自由開業制をこのまま続けるのか。人口当たりで循環器なら何人というように、保険医療機関として制限をある程度かけなければ問題解決しない」と述べた。医師の研修履歴が患者に分からない自由標榜制も問題視した。

 これを受けて遠藤久夫委員(学習院大経済学部教授)は「病床だけではなく、地域の診療所の上限を決め、さらに、専門医の上限も入れる。専門医を取らなければそれなりの報酬をもらえず、自由標榜が厳しくなれば専門医を採るようになる。そうして地域偏在と診療科偏在をコントロールするという理解でよいか」と確認すると、日病の堺会長は「おおむね良い」と返答。ただ、「かなりの抵抗があるだろう」と述べた。遠藤委員は「基本的に計画配置はやむを得ないと思っている」とした。

 フリーアクセスについては堺会長が「世界に冠たるシステムであり、いきなりやめるのは難しい。かかりつけ医と連携すべき」と指摘。日本歯科医師会の大久保満男会長は「医療関係者が病院と開業医の役割分担を議論しなければ、フリーアクセスの存続が危ぶまれる。われわれには努力が必要だ」と訴えた。(3/28MEDIFAXより)

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