【介護保険】包括ケア実現の15年度制度改正へ議論再開/社保審・介護保険部会  PDF

【介護保険】包括ケア実現の15年度制度改正へ議論再開/社保審・介護保険部会

 厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会(部会長=山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大名誉教授)が1月21日、14カ月ぶりに開かれた。厚労省がスケジュールとして提示した2015年度の介護保険制度の改正に向け議論を行う。会合に先立って挨拶した原勝則老健局長は「12年度の改正に続き、地域包括ケア実現のための15年度の制度改正に向けて、具体的な方策について議論をお願いしたい」と述べ、地域包括ケアの実現に一定のめどをつけることが重要だとの認識を示した。

 原局長は委員に対し、社会保障制度改革推進法や社会保障・税一体改革大綱で掲げられた課題を踏まえて検討することも併せて求め、「社会保障制度改革国民会議や自公民の3党協議と十分に連携を図りながら、部会での検討を進めていく」と説明した。

 委員から国民会議と部会との関係性について「位置付けが分からない」との質問が上がったのに対し、国民会議の委員を務める山崎部会長は「国民会議との関係については、落ち着くまでもう少し時間がかかると感じている」と述べた。3月以降、4つの分野のうち医療・介護分野の議論が優先されるとの見通しを示し「(国民会議での議論を)見ながら介護保険部会での審議をすることになると感じている」と説明した。

●介護分野の課題を提示
 厚労省は、今後部会で議論するべき介護分野の課題を提示した。課題は大きく分けて「地域包括ケアシステムの構築」と「介護保険制度の持続可能性の確保」の2つ。地域包括ケアシステムの構築では、▽介護サービス提供体制の充実▽認知症対応の推進▽マンパワーの増強―を挙げた。

 介護保険制度の持続可能性の確保では▽介護給付の重点化・効率化▽世代間・世代内の負担の公平性の観点に立った制度の見直し―を課題として提示した。介護給付の重点化・効率化に関しては、軽度者に対する給付の重点化や在宅への移行に向けた介護施設の重点化、自立支援型のケアマネジメントに向けた制度対応を議論する予定。負担の公平性に立った制度の見直しについては、介護保険料の低所得者軽減強化、介護納付金の総報酬割導入のほか、補足給付による資産の勘案といった利用者負担の在り方を検討事項として挙げた。(1/22MEDIFAXより)

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