都市部の社会保障負担重く/内閣府が都道府県別調査
内閣府は7月3日、財政支出や公的年金、医療保険などの給付額を足した「公的な受益額」と、税金や年金保険料などを足した「公的な負担額」を地域別に初めて試算し発表した。都市部の負担が重いことが鮮明になった。2005年度で負担額から受益額を引いた「総収支」をみると、東京、神奈川、愛知、大阪の4都府県が負担超過で、ほかは受益超過。都道府県別ではなく地域別で発表した11年度の見通しでは、高齢化の進行により、3大都市圏(南関東、東海、近畿) を含む全地域で受益が増加する見通しだ。
調査は、年金、医療など3つの部門について、負担と給付の額を算出。東京は「総収支」が約17兆7000億円の負担超過だった。これに対し、北海道や埼玉、兵庫、福岡、鹿児島は1兆円を超える受益超過だった。
「公的な受益」の額を05年度と11年度見通しで比べると、高齢化がこれから急速に進む3大都市圏で、年金給付を中心に受益増加が見込まれている。最も増える見通しの地域は南関東(4兆2000億円) だった。調査は、社会保障費の変動による地域経済への影響を把握するために実施した。【共同】(7/7MEDIFAXより)