麻酔科標榜の規制緩和などにも言及/医療確保ビジョン
「安心と希望の医療確保ビジョン会議」が6月18日にまとめたビジョンでは、診療科間のバランス改善策として国による許可制となっている麻酔科医の標榜資格に関する規制の緩和や、医療法標準の見直し、臨床研修病院への評価の在り方なども盛り込まれた。
ビジョンでは、医療者側が提供する「治す医療」から医療者と患者・家族の協働による「治し支える医療」への転換をうたい、(1)医療従事者などの数と役割、(2)地域で支える医療の推進、(3)医療従事者と患者・家族の協働の推進―を「3本柱」として掲げた。
麻酔科標榜の国による許可制については「専門医制度の整備状況を踏まえ、規制緩和を行う」との方針を打ち出した。個々の病院の実態に見合った適正な医師数を確保するため、必要医師数の算定方式など医療法標準の見直しも進める。臨床研修制度については、医師不足が深刻な診療科や地域医療に貢献する臨床研修病院を積極的に評価する方針を盛り込んだ。研修医の受け入れ数の適正化も図る。
診療科間の医師偏在の適正化については、「職業選択の自由に配慮しつつ、産科、小児科、救急科、外科などについて、増員のための方策を自治体とともに検討する」とした。女性医師の離職防止・復職支援に関して、「短時間正社員制度」の導入・普及などをうたった。産科医療補償制度や医療死亡事故の原因究明制度など医療リスクへの支援体制の整備により、「委縮することなく医療を行える環境整備を進める」とした。医療職種間の連携強化による勤務医の負担軽減の重要性も指摘し、医療クラークやいわゆるメディエーターの育成などにも触れた。
今後はビジョンを各種医療政策に反映させる。可能な部分は2009年度予算の概算要求に盛り込む。(6/19MEDIFAXより)