病床数に応じた交付税措置など議題に/公立病院の検討会が初会合
総務省の「公立病院に関する財政措置のあり方等検討会」は7月1日、初会合を開き、公立病院の経営環境の変化を踏まえた財政措置の在り方に関する検討を始めた。総務省は検討課題として、病床数に応じた交付税措置の在り方の見直しなどを挙げた。11月をめどに報告書を取りまとめる。
総務省によると、現行では公立病院を持つ自治体に対し、1床当たり約50万円の普通交付税を配分している。2007年12月に公表した「公立病院改革ガイドライン」を策定した懇談会では、病床数に応じて一律に財政措置を取っている現状に批判があり、病床利用率が低い場合に警告を与える仕組みを求める意見が出ていた。こうした意見を踏まえ、今後の財政支援に病床利用率を反映させるかどうか検討する。また、民間病院と比べ高いとされる公立病院の建築費に対する財政支援についても、上限を設けるべきか議論する。
このほか、産科、小児科、救急医療など、採算性が低い上に医師不足などによって医療提供体制の確保が困難とされている分野や、公立病院が民間譲渡した場合の財政支援の在り方も議題とする。
病床数100床未満、1日平均外来患者数が200人未満の病院で同じ市町村内にほかに一般病院がないなどの「不採算地区病院」については、05年度末までに合併した市町村に対して5年間に限り、合併前と同じ要件に基づく特別交付税措置を認めてきたが、08年度で経過措置が終了する自治体があることを踏まえ、09年度以降の交付要件に関する検討も進める。
検討会は持田信樹東大大学院教授を座長に、有識者や公立病院関係者ら計10人で構成。(7/2MEDIFAXより)