弁護士委託、1割の成果/三重県立病院の未収金回収
三重県が2007年度に、県立病院の医療費の未払い対策として弁護士事務所に未収金の一部の回収を委託した結果、委託額の約1割について回収するか支払いの約束を得ていたことが7月6日分かった。県は「(委託した分は) これまでならまったく回収できなかった分なので(弁護士事務所への) 報酬を差し引いても一定の効果はあった」と評価。08年度も委託契約を更新した。
県内4つの県立病院の未収金は年々増加。督促や少額訴訟などを行ってきたが、06年度末で1億8000万円に上り、本来の病院業務への影響も懸念されることから、07年7月に一定期間取り組んでも進展がないものは大阪市の弁護士法人に回収を委託することにした。
県によると、07年度末までに委託したのは258件、約5300万円。うち完納、分納を合わせ46件(約190万円) を回収し、21件(約350万円) で支払いの約束を取り付けた。
それでも07年度の全体の回収額は2400万円ほど。年度末の未収金残高は06年度より若干増え、約1億9000万円に。県は08年度から新たに2つの病院でクレジットカード払いも導入し、未収金発生の抑制にも期待を寄せる。担当の病院事業庁は「今後も回収委託の成果に期待すると同時に、まずは未然に防ぐため、患者相談窓口や院内連携の強化に努めたい」としている。【共同】(7/8MEDIFAXより)