国による医学部定員の管理、見直しを/規制改革会議が中間まとめ
政府の規制改革会議は7月2日、年末の答申に向けた「中間とりまとめ」を公表した。医師不足対策については、「医学部の定員を国が管理する現在の制度について、その必要性を検討し、見直すべき」と明記した。看護師は、慢性疾患や軽度な疾患であれば処置・処方・投薬ができる、いわゆる「ナースプラクティショナー」に該当する職種の導入も求めた。
医療のIT化については、レセプトオンライン化による社会保険診療報酬支払基金の業務効率化や手数料の削減についても言及。さらに医療情報の活用により「標準的な医療」を確立した上で、支払い方式を現在の出来高払いから、DRG/PPS (診断群別定額支払い方式) を中心とする包括払い方式に切り替えるべきとした。
医療の質向上に向けては、治療成績の良好な医師・医療機関に対し、診療報酬を優遇する「質に基づく支払い」(Pay For Performance) の導入を検討し、必要な措置を講じるべきと提言した。
後発医薬品の使用促進については、2012年度までに後発品シェアを数量ベース30%以上とする厚生労働省の目標に対し、「薬剤価格の大部分が保険給付されることや、慣れ親しんだ薬剤を変更することへの不安などから、後発品へ変更する動機に乏しい状況も考えられる」と問題視。特許終了後、先発品と後発品の保険償還価格を同一価格とする「参照価格制度」の導入を求めた。
混合診療禁止措置の撤廃についても言及。患者が望む医療を自由に受けたいという切実な要望に依然として応えられていないと指摘した上で、「国民の自由意志が尊重されていない状況にあることを深刻に受け止め、混合診療禁止措置の撤廃に向けた施策を早急に講じるべき」と訴えた。
介護分野については、サービス事業者が質改善による利用者満足度の向上を図るため、介護報酬でのインセンティブの強化が必要とした。一例として、ケアマネジャー報酬について、利用者負担による上乗せを認めるなど、保険内サービスの利用料の自由化を検討すべきとした。(7/3MEDIFAXより)