医学部の総定員、現行の5割増に/民主党の医師確保対策

医学部の総定員、現行の5割増に/民主党の医師確保対策

 民主党は6月18日の「次の内閣」閣議で医学部の総定員を現行の5割増やす医師確保対策を了承した。医師が複数の医療機関を掛け持ちする兼業の解禁や短時間正規勤務制の導入なども盛り込んだ。閣議では、医療事故再発防止のための医療法等改正案の骨子試案も了承。これを受け民主党は両対策を次の総選挙のマニフェストに盛り込む方針だ。

 民主党は、医学部の総定員の増加と前期卒後臨床研修医の適正配置、現役医師の活用策などによって深刻な医師不足の解消を図るとしている。

 医学部の総定員の増加は、現在約7600人いる医学部の総定員を5割(3800人) 増やす。具体的には、学士入学・編入枠の確保・拡充を図るほか、歯学部の定員を医学部定員へ振り替える。また、国立医療機関などで所定の課程を修めた人に学位を与え、医師国家試験の受験資格を与える。産科、小児科など人員が不足している大学などに国が奨学金を拡充する。

 前期卒後臨床研修医では、研修先が学生数を上回っているため都市部の研修施設に学生が偏る問題が起きている。このため民主案では研修施設の定員を減らして、定員充足率の向上に努めるとしている。現役の医師の活用では、女性医師が現場復帰できるよう短時間の勤務も正規勤務となる制度を導入する。

 さらに各都道府県に法律に基づく「医療従事者等確保支援センター」を設置し、医師不足の地域の要望を受け、医療機関に派遣要請やあっせんを行う仕組みを作る。同センターは大学や医師会、都道府県、市町村などの代表者で構成。派遣要請を受けた医療機関は協力する努力義務を負うようにする。(6/19MEDIFAXより)

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