カレスサッポロ、全国初の社会医療法人に/北海道が認定
北海道は7月10日、特定医療法人社団カレスサッポロを社会医療法人に認定した。2008年春に申請の受け付けが始まった社会医療法人で、認定を受けたのは全国初。厚生労働省によると、全国で約30法人が認定に向けて自治体との具体的な協議に入っており、今後各地で認定が進むとみられる。
同法人は、運営する北光記念病院(145床) の救急医療に関する実績が、救急医療等確保事業の認定要件を満たしているとして、道に認定申請をしていた。同法人は、北光記念病院のほか、同市内で時計台記念病院(250床)、稲積記念病院(80床) の2病院と、LSI札幌クリニックなど3つの診療所を運営しているが、複数の医療機関を運営する法人の場合、1医療機関が基準を満たしていれば認定を受けることができる。申請を受けて、道は医療審議会による審査を経て、申請を認めた。
西村昭男理事長は「将来的にへき地医療にも貢献していきたい」と話している。認定証受領後、早急に法人登記を行う予定だ。
社会医療法人は、第5次改正医療法により新設された医療法人制度の1つ。救急やへき地など公益性の高い医療に取り組むことが認定要件となっている一方、法人税の優遇措置や「社会医療法人債」の発行、医療に付随する収益事業が可能となるなどのメリットがある。
社会医療法人の初認定を受け、メディファクスの取材に応じた厚労省医政局指導課の金森勝徳医療法人指導官は、把握しているだけで13道府県と法人の間で社会医療法人認定に向けた具体的な協議が進んでいることを明らかにした。
今後の認定は、各自治体の医療審議会の開催日程や法人側が申請に必要な書類の作成にどの程度の時間がかかるかによるため「一概に言えない」としながらも、現状を踏まえ年度内に30法人程度が認定を受けるとの見通しを示した。厚労省や都道府県への問い合わせも多く寄せられており、「医療法人側の関心は高い」と話している。(7/11MEDIFAXより)